逃げてーーーー! 全力で逃げてーーー‼︎
美しい自然、たくましく生きる動物、英国が誇るナチュラリスト、デイビッド・アッテンボローの力強いナレーションが大人気のBBCのドキュメンタリー番組『Planet Earth II』。3年かけて40カ国を回って撮影したという同番組は、映し出されるもの全てが一級品と超評判です。
そんな『Planet Earth II』ですが、第1話に登場したガラパゴス諸島のイグアナベイビーが生まれてすぐに直面する試練が過酷すぎると話題になっています。
これはIndependentが紹介した、BBC Earthによる動画。
逃げてーーーーーーー! 早く早く、追いつかれちゃうーーーーー‼︎
卵から孵ったばかりのイグアナちゃんを待ち受けるのは大量の蛇。この蛇は視力は弱いものの動くものに反応するため、イグアナベイビーが逃げると猛烈に追いかけてきます。岩影から次々と現れ、猛スピードでイグアナベイビーに迫る蛇たち。岩場もなんのその、速度を落とすことなく登ってきます。まるで、マット・デイモンやトム・クルーズのアクション映画を見ているかのような緊迫感! こわい、怖いよ‼︎
緊張感溢れるこの映像を見たIndependentのクリストファー・フートン記者は、『Planet Earth II』の第1話を編集したマシュー・ミーチ氏に映画を意識したのかたずねてみたそうです。以下はミーチ氏のコメントです。
僕は熱狂的な映画好きなんだ。ヒッチコック、クリストファー・ノーラン、スコセッシ、スピルバーグ、みんな大好きだよ。自然界の映像を編集するのって、サイレントムービーを編集するのに似てるんだ。全てアクションとリアクションで成り立ってる。タイミングも大事だね、コメディにもスリラーにもなる。ナレーションも大切だけど、だらだらと説明させるのはつまらないだろう? 映像そのものが全てを語るべきなんだ。
ミーチ氏は、こういった一連の出来事の中にジャンルを見つけ出すのが好きだと言います。以前放送されたアッテンボロー氏のドキュメンタリー番組『アフリカ』ではキリンのバトルをウェスタン風に、ドキュメンタリー番組『The Hunt』では野犬の狩をカーチェイス風に見せたそうです。
このイグアナと蛇のシーケンスは、最初のイグアナが姿を表した瞬間から、「何かがおかしい」と視聴者に思わせたかったんだ。
音楽とサウンドデザインの効果もあり、映画さながらのシーンが完成。ネットでは「テレビ史上最高のシーン」といわれるほど。たしかに、こんなに手に汗を握る自然の映像は滅多にありません。
ちなみに、全く同じ素材を超コミカルにした動画をThe LAD bibleが公開しています。これは筆者がハマりまくっているので紹介したいだけなんですが、編集がどれほど映像を左右するのかの証明にもなっているので是非ご覧ください。
笑っちゃいけないけど笑える…! 編集効果、絶大。そしてYakety Sax、相変わらずいい仕事してますなぁ。
世界は広い…動物たちの世界:
・フグはフグの仲間から毒をチャージしている
・いかにも毒が強そうだ…! ドナルド・トランプの髪型に擬態する鳥の雛
・発見! でっっっっっっっかいミミズ(観覧注意)
image by BBC
source: BBC Earth via Independent、The LAD bible
(中川真知子)