人工知能計算に特化。
日本政府が再び、世界最速のスーパーコンピュータ開発をねらっているみたいです。和製スパコンといえば理化学研究所の「京」が2011年に世界一の処理速度を実現しましたが、その後順位はじりじりと後退しています。
ロイターによると、新スパコンでは1秒あたり13京回(京は兆の次の単位)、130ペタフロップスの演算能力を目指しています。「京」は10ペタフロップスだったのでその13倍、現時点で世界最速の中国の「神威太湖之光」は93ペタフロップスなのでその1.4倍の速度になります。それでも開発費用は195億円と、1120億円かかって「2位じゃだめなんですか」と怒られた京よりもだいぶ低予算です。
新スパコンは名付けて「ABCI」。「AI Bridging Cloud Infrastructure」を略したものです。京がもともと汎用目的だったのに対し、ABCIはAIを使った計算に特化させるみたいです。
開発をすすめる産業技術総合研究所の関口智嗣氏は主な用途として自動運転や工作機械の運転状況の把握、医療診断支援などをあげ、「日本の産業、製造業が必要とする機械学習をアウトソーシングする場にしたい」としています。現状ではその手のヘビーな計算処理はMicrosoftやGoogleにアウトソースされているそうです。
「日本の技術力」ってやつが再びみられるんでしょうか? ABCIのハードウェアを提供するのは民間企業で、12月8日まで入札が行なわれていますが、富士通、NECなどそれっぽい企業はノーコメントです。順調に開発が進めば、2017年度の稼働を目指しています。
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source: Reuters
Rhett Jones - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)