世界初の殺人シーンは1895年に編集技術を用いて作られた

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世界初の殺人シーンは1895年に編集技術を用いて作られた

プロデューサーは発明王のトーマス・エジソン

世界初のホラー映画は、1896年にフランスで制作された『悪魔の館』と言われています。この短編映画では、フィルム編集で魔法のような出来事がたくさん登場しますが、人が死ぬシーンはありませんでした。

ですがその前年、『悪魔の館』の監督だったジョルジュ・メリエスによって、編集のトリックを巧みに使い、歴史上で起こった処刑を再現して女の人が首を斬られる映像が作られていたのです。そしてこれが映画史上初めて人が死ぬシーンとなりました。

完全なフェイク映像ですが、それなりに残酷なので閲覧注意でどうぞ。

こちらはBLOODYDISGUSTINGが取り上げた、LibraryOfCongressの動画『The Execution of Mary, Queen of Scots』でした。

この女性の役は、1587年に反逆罪で処刑されたスコットランド女王のメアリー・ステュアート。映像の編集は「中止め」という方法で、処刑人が斧を振り上げた瞬間にメアリーが人形とすり代わり、斬られた作り物の頭がコロリと地に落ちます。

たった18秒ほどの映像ですが、当時の観客はこれをフェイクだと思わず、本当に人間を処刑した映像だと信じ震撼したそうです。しかもメアリーを演じているのは男性の俳優というのも、人々は気付かなかったようです。1895年はまだ映画の歴史が浅かった時代なので、これでもすでに恐怖映像だったのでしょうね。

ちなみにですが、この映像が世界初なのは編集技術と殺人シーンだけではなく、演技の訓練をした役者が出演したのも世界初だと言われています。

今となっては「優れた編集」のセオリーが確立していますが、それもこの処刑映像があったからこそと思うと感慨深いですね。

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image by YouTube
source: YouTube via BLOODYDISGUSTING, Wikipedia

岡本玄介