クラウドファンディングで今年手に入れた3大ガジェット

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クラウドファンディングで今年手に入れた3大ガジェット

新しいもの好き、ガジェット好きな性格にとって、クラウドファンディングは非常に魅力的なサービスです。

一般販売しても儲からなそうなヘンテコガジェットから、かゆいところに手が届く優れたデザインのガジェットまで、夢のような(ときには夢のまま終わってしまう)プロジェクトの数々に溢れたクラウドファンディング。その中で、私が今年実際に手に入れたもののうち、個人的に支援してよかったと思ったものを3つご紹介しましょう。


Pebble 2 Heart Rate

クラウドファンディングで今年手に入れた3大ガジェット2

キビキビとした動作と、抜群のバッテリーライフ、超優秀なスマートウォッチシリーズ、Pebbleの最新かつ最後の製品、それが「Pebble 2 Heart Rate」(写真右)です。

ディスプレイは白黒ですし(カラーが良いという方は写真中央の「Pebble Time」という選択肢もあります)、タッチパネルではなく、盤面横のボタンを押してのコントロールとなりますが、だからこそバッテリーライフも長く、誤操作も少ないです。なお、本体にはマイクが内蔵されており、日本語には未対応なもののFacebookメッセージなどに音声で返信文を入力したり、音声アシスタント的なアプリも出ています。「Pebble 2 Heart Rate」では心拍数系も内蔵されていますが、スポーツもしない出不精な私にはあんまりいらない機能かも。

私は初代Pebble(現「Pebble Classic」、写真左)、「Pebble Time」とKickstarterで出資して手に入れており、3台目となりますが、会社としての成功には陰りが。今年3月には社員の25%をレイオフし、最近ではFitbitによりPebbleが買収されてしまいました。そのため、同時期に資金を集めていた「Pebble Time 2」や「Pebble Core」はキャンセル、返金となっています。今後のFitbit製品にPebbleらしさが活かされるといいですね。


Darma

クラウドファンディングで今年手に入れた3大ガジェット3

「Darma」は、スマート・クッションです。座り過ぎは体に悪いなんて記事を時折見かけますが、通常一日中家に座って生活している私にとっては他人事じゃありません。

「Darma」はパッと見ただのクッションですが、設定時間以上座っていると振動して「そろそろ立ち上がってストレッチしたほうがいいよ」と知らせてくれます。それだけでなく、Bluetoothでスマホと接続でき、ユーザーの姿勢を感知(前かがみになりすぎ、右に姿勢が傾いてる、など)して、それもお知らせしてくれます。スマホからは毎日どれだけの時間座っていたのか、どれだけ良い姿勢で座っていたか、などが確認可能です。


MOGICS Power Donut & Bagel

クラウドファンディングで今年手に入れた3大ガジェット4

楽しみにしていた旅行! もちろんデジタルガジェットも沢山持っていきたい! でも旅行先ではコンセントの位置が悪かったり、少なかったりすることもあるし…かといって旅行荷物に大げさなテーブルタップを持ち運ぶ余裕もないし。ACアダプタをつなぎたい場合には、必然的にサイズも大きくなるし…そんな旅行時の電源の悩みを解決するのがこれです。

ドーナツ型の「MOGICS Power Donut」は、米国や日本などで使用されているタイプA型のコンセント穴が4つ、USB穴が2つ付いている、ドーナツ型の延長コード。延長コード部分は92cmも伸ばすことができます。私の手に入れたのは「MOGICS Power Bagel」(上写真。左に写っているのは持ち運び用ケース)、それよりも少し膨らみを帯びたベーグル風の形をしており、延長機能とUSB穴が2つは同じですが、タイプA型コンセント穴が1つ開いている他はユニバーサルコンセント穴(どの国のプラグでも挿すことができる!)が4つ付いています。

円状の本体の外周にコンセントを挿していくデザインとなっているため、ある程度大きいACアダプタであっても差口が直線的に隣り合わず、複数差せるようになっているほか、コンセントの穴と穴の間の空間に延長コードが巻けるように収納されており、非常に無駄のないデザインとなっています。

し、か、も、延長コードのプラグはドーナツもベーグルも、共にタイプA型ですが、面白いのが本体中央のドーナツ/ベーグル穴部分にはまり込むようデザインされた変換アダプタ。これにより、A型以外のコンセント口が使用されているイギリス(BF)、ヨーロッパ(C、SE)、オセアニア(O)などの国に行っても対応可能。

大電流が流れても電子機器が壊れないようにヒューズも内蔵しているのですが、もしヒューズが切れたときのための予備のヒューズも本体に内蔵しています。そのうえ可愛らしいドーナツ/ベーグル型の形状を保っていて、従来の電源コードの問題をうまく考え抜いたデザインに感心すると共に、当初のリワード推定配送月を守りながらもきちんとした製品になっていたことも素晴らしかったです。


選外:Narrative Clip 2

クラウドファンディングで今年手に入れた3大ガジェット5

「Narrative Clip 2」(写真右)はウェアラブルなライフ・ログ・カメラです。正確にはクラウドファンディングサイトで出資したわけではないので選外としましたが、この先代モデルとなる初代「Narrative Clip」(写真左)は元々2012年にKickstarterで「Memoto」として資金を集めたもの。後にMemotoの名称が使えないことがわかり、現在のNarrativeという名称となりました。初代「Narrative Clip」を見事成功させた後、その進化版となる「Narrative Clip 2」を発表。公式サイトで先行予約を受け付けていました。

しかし「Narrative Clip 2」もまるでクラウドファンディングサイトで行なわれたプロジェクトかのように、予約して料金を先払いした当初のプロダクトとは詳細が変更されたり、度重なる製品完成の遅れなどがありました。そんな問題を乗り越え、今年1月に欧州ユーザーに、6月には日本のユーザーにも届いた「Narrative Clip 2」でしたが、そんな矢先…Narrativeは2016年9月に企業編成に失敗し任意解散。サービス中止を発表しました。

サービス終了までにクラウド上に保存されている写真データをすべてダウンロードしないとすべて消されてしまう、という状況(製品としてはクラウドサービスなしでも使用可能)。しかしサービス終了直前になって元社員たちがサービスの継続を発表しました。

未だにクラウドサービスの収益化(そもそも2012年にMemotoとしてプロジェクトを発表した時点から一部クラウドサービスは有料とされていたが、ズルズルと無料のまま続いてきた)を含め、今後は不透明ですが、製品としては出来が良いですし、自腹を切ってまでサービス終了を阻止してくれた元社員たちにも頭が下がります。


今年もこの場で紹介しきれないほどたくさんの面白いクラウドファンディングプロジェクトがありました。

私の手に入れたモノに限っても、最近では日本でも発売され始めた極薄ソーラーパネル「YOLK Solar Paper」、手のひらサイズのWindows 10 / Arduinoパソコン「LattePanda」、細部まで考えられたデザインのバックパック「Peak Design Everyday Backpack」などなど。しかしもちろんプロジェクトが成功して製品を出資者に送り出すことのできているものの影には、たくさんの失敗したプロジェクトや、当初のリワード発送予定から1年、2年、3年遅れていて「まだプロジェクト進行中だ」なんて言っているものも存在します。

いまさら言うまでもないかもしれませんが、クラウドファンディングサイトでの出資はあくまでもそのプロジェクトを成功させるための出資であり、買い物ではありません。資金は集めることができてもプロジェクトが途中で失敗することもあります。当初のプロダクト完成予定から大幅に遅れるプロジェクトはとても多いですし、失敗してもお金が返ってくることはまずありません。ものによっては詐欺的なプロジェクトである可能性もありますので、くれぐれも出資の際はよく考えた上でご自分の判断で行なってください。

source: Pebble 2 Heart Rate, Darma, MOGICS Power Donut & Bagel, Narrative, YOLK Solar Paper, LattePanda, Peak Design Everyday Backpack

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