DJI Mavic Proレビュー:コンパクトなサイズと性能はトレードオフだった

DJI Mavic Proレビュー:コンパクトなサイズと性能はトレードオフだった

DJIの高性能でコンパクトな折りたたみ式ドローンMavic Proが10月下旬から順次発送され、日本でも手に入れた人もいるでしょう。

さまざまなドローンを試してレビューをしてきた米GizmodoのAdam Clark Estes氏がMavic Proのレビューをしました。数々のドローンを試してきたからこそわかる、Mavic Proの利点と欠点が語られていますよ。以下、どうぞ。

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Mavic Proがオフィスに届いたときの第一声は、「なんてこった、すごく小さい」でした。折りたたみ式のドローンは、どっしりしたイタリアンサンドイッチくらいの重さとサイズと思っていましたが、このMavic Proは驚異的にコンパクトなサイズ。しかしこのサイズ、使ってみると、良い面であり悪い面であることがわかりました。

まず最初にいえるのは、このドローンを飛ばすのはとってもスリリングです。操作に慣れてしまえば、木々に囲まれた細い道をヒュンヒュン飛ばせたり、興奮しました。1カ月のテスト期間中、一度もMavic Proを墜落させたことはありません(そもそもこれまでドローンを墜落させたことはないけれど)。

超小型でスマートなクワッドコプターの時代が来たという事実もスリリング。高精細なカメラ、高度な自律制御機能を備えた小型のドローンが手に入る未来はもう紛れもない現実です。

でもそのサイズ、性能、価格のバランスは難しい。400ドル(約4万5000円)の安いParrot Bebop 2なんかはまるでおもちゃのようだし、1,200ドル(約13万7000円)のDJI Phantom 4は、ドローン初心者にはあまりに大きくて高すぎる...。でも、このDJI Mavic Proは1,000ドル(約11万5000円)と、決して安くはない値段ですが、パーカーのポケットに収まるサイズを実現しながら、DJIシリーズの兄貴分と同じくらいの性能が積まれています。

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Mavic ProはPhantom 4のスペックに匹敵しているともいえます。どちらも4Kカメラを搭載(でもPhantom 4のほうがしっかりしてて、HDRでの静止画撮影機能により広角なレンズも搭載)し、障害回避システムに、スマートフォン画面をタップすることで被写体に追従するビジュアルトラッキング機能を備えています。

さらに、どちらも時速40マイル(約64km)の速度を超えることができ、「tap-to-fly(スクリーンを2回タップするだけで、目的地まで飛ばせる)」と「Waypoint(飛行するルートを複数のポイントで設定した後に、そのポイントをたどるように自動で飛行させせる)」機能を搭載していて、ほぼ完全な自律飛行が可能です。

そしてなによりも特筆すべきは、Mavic Proは驚くほど小さい!(やっぱりここ)。これまでニューヨークで何十回もさまざまなドローンのテストをしてきましたが、いつだってこれらのガジェットは、思うように動いてくれないという苦労と戦ってきました。Phantomを車のトランクに投げ入れていると、減速バンプに乗りかかるたびに、この精密機器を破損しまうんじゃないかとヒヤヒヤしていました。このMavic Proのサイズは、革命的ですらあります。

GIF by Mandy Mandelstein

Mavic Proは、Phantom 4のコントローラーより小さいんじゃないかというくらい。そして折りたたむプロセスも簡単です。

Mavic Proの折りたたみ機構は、まるでトランスフォーマーのロボットのように可動します。前方のローターアームは飛行する際に水平に翼が動き、後方のローターは上下に揺れます。コントローラー下部の「モバイルデバイスホルダー」を引き出して、スマートフォンを挟み込みます。

実際に飛ばすまでの準備にはさまざまなパーツが必要ですが、全体のデザインやプロセスはエレガントで問題を感じません。

GIF by Mandy Mandelstein

しかしながら、一度Mavic Proが空に放ってみると、「あれ? ちょっとおかしい」と感じました。ドローンのサイズを小さくするということは、つまり、安定性とペイロード能力(有効荷重)とのトレードオフ

とはいえ、DJIの「インテリジェントフライトモード」は良くできていて、映像のブレを回避するときにその威力を発揮します。Waypoint機能とtap-to-fly機能は、ジョイスティックを一切操作する必要なく、バッテリー消費を抑えながらスムーズな動きを実現します。

また、人の顔など、被写体を認識するアクティブトラック機能は、フレームの中心にその被写体をキープし続けます。ただし、被写体があまりに速く動くと、ドローンはついてこれなくなります。

フォローミーモード」は、ちょっとイマイチでした。マウンテンバイクやスノーボードのようなアクティビティーのときに威力を発揮しないといけないのですが、どうもまだちゃんとついてきてくれない感じがします。

Mavic Proは、コントローラーからラジオ信号を受信して、持ち主がどこにいようと着いてきてくれるはずなんですが...。残念ながら、今回のテストでは、このモードは使えませんでした。おそらく衛星通信との兼ね合いだと思います。ニューヨークの電波干渉の問題だと思いましたが、定かではないのでDJIに衛星の問題について問い合わせてみていますが、今のところ返答はありません。

いずれにしても、Mavic Proの前方には、時速22マイル(約35km)の速度に対応する非常に有用な障害回避センサーを搭載しています。

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Mavic Proの裏には、地面を観測するための光学カメラと2つの超音波センサーが搭載されています。

Mavic Proのジンバルはかなり扱いが難しいです。ドローン初心者にとって、ジンバルはカメラを安定させるために重宝する機能で、カメラの向きを上下に振ることができ、空中滞在時のカメラの安定に必要不可欠。ジンバルの調子が悪くなると、揺れたり歪んだ空撮映像になってしまいますが、Mavic Proには映像が歪むという問題があります(上の動画でも確認できます)。

最初の数回のフライトの後、長時間空中に滞在すると映像が曲がってくることがわかりました。僕は日没のニューヨークのスカイラインを撮影するのが好きなので、すぐに気づいたのですが、映像をみると水平線が5度ほど傾いてしまいました。ありがたいことに、ジンバルロール(カメラの水平位置)の調整は簡単に行なうことができるのですが、それも余計な手間です。

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Mavic Proを航空写真・映像用のドローンと考える場合、Phantom 4と同じ条件で比較をすることはあまり意味がないと感じます。

大きいドローンはより大きなカメラを運ぶことができ、頑丈なドローンはより安定した飛行とスムーズな映像を捉えることができます。Mavic Proは、当然大きくもなければ頑丈でもありません。もし美しい航空映像を撮影したい場合は、Phantomシリーズだけでなく、 YuneecのTypoonなど、他のドローンを検討しましょう。

そのようなドローンは、Mavic Proよりもカメラの操作性が優れています。Mavic Proの短いRCコントローラーは、ドローンの微妙な動きや回転の操作の難易度を上げています。

また、Mavic Proは、Phantom 4やTyphoon Hなど僕がテストした他のドローンと比較すると、低照度の風景に弱いと思いました。ISOと露出の設定の調整は、特に静止画撮影の時に改善する必要がありますが、ドローンを飛ばした後にISOや露出の設定を調整するのは、面倒です。

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Mavic Proには以上のようなトレードオフ条件が存在します

Mavic Proは予想を超える注文数で出荷が遅れていることもあり、購入してから数週間Mavic Proを手に入れることすらできないかもしれません。個人的には、ジンバルやカメラの欠点と、携帯性はトレードオフだと思います。僕の場合は、車ではない日帰り移動の時に持って行くのにちょうどよさそうだと感じました。またPhantom 4より200ドル安いというのも魅力的ですよね。

財力があって、とにかくコンパクトで性能も優れているドローンを使ってみたいという人は買ってみても良いと思います。でも本格的な撮影を行ないたい人には不満な点もみつかります。

まとめ

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・機能は損なわないのに、折り畳めて持ち運べる素晴らしさ
・カメラは長時間の飛行になると歪みだしますが、修正するのは難しくはない
・オートパイロット機能はとてもラクで、ドローン飛行の可能性を提供します
・軽量な構造は時に強風に踊らされます
・1,000ドル(約11万5000円)はやっぱり高い…けど、小さい!

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image by Adam Clark Estes / Gizmodo

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文
(mayumine)

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