四角いハンドル、手元にアクセル。新機軸満載の水に浮くEV「FOMM Concept One」

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  • author 渡邊徹則
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四角いハンドル、手元にアクセル。新機軸満載の水に浮くEV「FOMM Concept One」

いずれジェームズ・ボンドに乗って欲しい。

普段は陸の上を颯爽と駆けながら、いざという時には水の上もスイスイ。そんな万能の水陸両用のクルマが普及したら…。

まるでスパイ映画に登場しそうな水陸両用のクルマを日本人技術者が開発しました。その名は「FOMM(フォム) Concept One」。軽自動車より一回り小さいボディの電気自動車です。

開発したのは、トヨタ車体の1人乗りEV「COMS(コムス)」の設計にも携わった、この道34年の技術者、鶴巻日出夫さん率いる株式会社FOMM。IBMのWebメディア、Mugendai(無限大)で開発秘話が紹介されているこのFOMM、どんなクルマなんでしょうか?

EVだからできる、水害時にも浮くクルマの秘密

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FOMMには実にさまざまな特徴があるのですが、何より気になるのは、どうやって水に浮いているのか、という点。結論からいえば、車体が樹脂で一体成形してあり、防水加工されたタイヤに装備された「インホイールモーター」によって推力を得るのだそう。これにはCOMSの開発経験が役立ったとのことです。

そしてこれはEVならではの利点であり、酸素を吸って排ガスを出さなければエンジンが動かない旧来のガソリン車では実現できない性能です。

四角いハンドル、手元にアクセル。新機軸満載のFOMM

「水に浮くEV」というだけで十分イノベーティブなFOMMですが、新規性はそれだけに留まりません。

まず特徴的なのが、そのハンドルの形。ご覧の通り、まるでF1カーのそれのように四角くなっていますよね。

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また、アクセルも足ではなく手で操作します。これは元々、狭い車内をより広くするための工夫なのですが、ニュースなどで話題になる「アクセルとブレーキを踏み間違えてしまう」事故を減らすことも期待できるそうですよ。

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東日本大震災の映像を見た母のひとことが開発のきっかけとなったというFOMM。資金難からくる綱渡り経営や、集まった「7人のサムライ」たち、ついに迎えたタイ首相との出会いなど、まるでドラマのような鶴巻さんのEV開発物語は、Mugendai(無限大)からぜひ続きをお楽しみください。

source: Mugendai(無限大)

(渡邊徹則)