こちらの災害救助ロボ、ロックマン壁キックを繰り出して助けに来てくれます

こちらの災害救助ロボ、ロックマン壁キックを繰り出して助けに来てくれます

早い! 小さい! ジャンプが高い!

災害救助ロボット、いろんな種類のものが開発されています。自律飛行のドローンから、クモのような四本足のロボットバッタを真似た小さいものから、ゴキブリからインスピレーションを受けたもの(閲覧注意)までさまざまです。

今回カリフォルニア大学バークレー校でデザインされたこちらのロボット、サルト(Salt)はなんと平均的な人間よりも高くジャンプ(1m)でき、しかもジャンプした後壁をキックすることで2段階キックをするというビックリな高性能になっています。研究の詳細は科学誌Science Roboticsの創刊号で発表されています。

こちらはUC Berkeleyによってアップロードされたサルト研究チームのビデオ。

ビデオを見た限りでは、まだまだ実際の現場で救助に使われるには時間がかかりそうですが、壁キックジャンプは確かに感心してしまいます。これによって複雑な地形をさらに奥まで進むことができるようになるわけですね。

こちらのサルトも他のロボットの例に漏れず、自然界からヒントをもらっているようです。モデルとなったのは、このお方。

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screenshot: UC Berkeley

アフリカ大陸に広く分布する夜行性のサル、ガラゴ。ガラゴを始めとして、高くジャンプをする生活で進化した動物の多くが、ジャンプの前に深く腰を沈めるポーズをとることに注目したそうです。このポーズに長くとどまれるほど、ジャンプのために大きなエネルギーを作ることができるようです。この深いかがみ姿勢をとれるようにサルトもデザインされたと。

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screenshot: UC Berkeley

サルトはかがんでいる状態でモーターがバネを引っ張り、長くこの姿勢で留まることができるそうです。自然界で小さな生き物が超高速で動くとき、手足の筋肉が生み出す限られたパワーをバネのような構造に溜め込んだ後、瞬間的に弾き出すことで大きなパワーとして変換して繰り出しているとのこと。研究者のDuncan Haldaneさんは次のように説明しています。

肢の筋肉が生み出せるパワー以上のパワーが肢の(動きに)使われているとき、この「力の変換」が行なわれています。シャコの高速の捕食アクションなど自然界で見られる瞬間的な運動はそれによるものです。ガラゴの跳躍もそうです。ジャンプをすることに特化した生き物(を観察すること)のおかげで、ロボットでそれをどう再現するのか、私たちはアイデアを得ることができます。

ロボットでは筋肉をモーターで、腱をバネで代用します。サルトではモーターがバネに力を加えることで、サルトの肢を動かします。ジャンプに備えるために完全に肢をたたんだ状態が、この深いかがみ込みの姿勢になるようにデザインしました。その結果、このロボットはモーターがただ生み出すパワーを使うよりも2.9倍のパワーをバネ構造が生み出すことに成功しています。それが高い跳躍に結びついたわけです。

現状のサルトは重さ約100g、広げると長さ26cmほど。ジャンプをした後バネを巻く必要などはなく、すぐに次のジャンプができるそうです。単独のジャンプでも1mほどの高さに達しますが、ロックマンばりの壁キックをすると高さはさらに20cmほど伸びるようです。高さだけでなく、壁キックをすることで、複雑な構造の災害現場での活躍が広がりそうです。

動画を見る限りだとジャンプが速いのも頼もしいですよね。参考までにウシガエルの跳躍は1.71m/秒だそうですが、サルトはなんと1.75m/秒だとか。モデルとなったガラゴは2.24m/秒なのでまだまだ目標は高く持てそうですね。

Haldaneさんの目標は仏映画『YAMAKASI』で有名になったパルクールフリーランニングのように構造物をぴょんぴょんとくぐり抜けて移動できるようにすることだそうです。

いずれはサルトが、視界から壁キックのできるポイントを自分で認識できるようにもしたいと。

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screenshot: UC Berkeley

とりあえずの次のステップは摩擦を生み出している部分を探し出してより円滑な動きにすること、そしてモーターを少し強力な物にすることだそうですが...自分で障害物を認識して壁キックを繰り出して移動するロボット、首を長くして待ちたいと思います。

top image: Haldane et al., 2016, SALTO - Berkeley's leaping robot / YouTube
source: Science Robotics, UC Berkeley

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(塚本 紺)

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