これは時代への逆行か、それとも先見の明か…。
いまや教育分野でのIT活用は、当然の時代の流れとして各校が取り組んでいる課題でもあるでしょう。iPadやタブレットを、授業へ積極的に導入する学校なども増えているようですが、決して良い面ばかりではないようです。The Telegraphの報道によると、こうした動向を懸念する向きもあるそうですよ。
多くの学校が直面している問題は、校内へiPadならびにタブレットが持ち込まれ、子どもたちの学校生活において、その使用が極端に重視されている点にある。こうした影響から、残念なことに、いじめや種々のハラスメントなど、不適切な利用スタイルへとつながっている。
このほど英政府子ども・家族担当大臣のEdward Timpson氏は、貴族院通信委員会にて、このように語ったとされています。授業への過度のタブレット導入で、教師と生徒の接触が薄れているほか、高価なiPadやタブレットをめぐり、学校内でケンカやいじめが数多く発生していることが憂慮されているんだとか。
すでに英国内では、学校に通うティーンエージャーの9割以上が、自分の携帯電話を所有しています。しかしながら、一部の学校では、携帯電話の学内使用を完全禁止。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが調査したところ、子どもたちの校内での携帯電話の利用を禁止した学校では、テストの成績が上昇する傾向が目立ったということですよ。
現在、英国には、学校でスマートフォンやタブレットなどの使用を認めるかどうかに関して、政府として明確に打ち出されている基準はありません。とはいえ、同大臣は、学校側が野放しにするのではなく、不適切な利用を制限する強い姿勢を見せるべきだと発言。いわゆる「テクノロジー・バランス」を保つためには、生徒から没収することもやむを得ないだろうと勧告し、物議を醸しているようですね。
なにかと便利なスマホやタブレット。でも、どこまで教育に役立つのかは、やはりふさわしい使い方次第ということなのでしょう。いざ禁止制限措置を取るとなれば、子どもたちは大反発するのでしょうけれど〜。
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source: The Telegraph
(湯木進悟)