グレートバリアリーフのサンゴ礁、この先20年間で大量死が推測される

グレートバリアリーフのサンゴ礁、この先20年間で大量死が推測される

史上最悪の危機に直面しているグレートバリアリーフのサンゴ礁。

今年初旬、サンゴ礁が大きな問題に直面していることについて警鐘を鳴らしたのは、サンゴの総合的な研究を行なう「ARC Centre of Excellence For Coral Reef Studies」の科学者たち。5月末には、グレートバリアリーフの北部中央部のサンゴ礁のうち、35%が死滅あるいは死にかけている状態にあると報告しました。

さらに、ここ2ヶ月のあいだに行われた上空と水中での調査によると、現在は著しく状況が悪化していたことが明らかになりました。

グレートバリアリーフ北部のサンゴ礁

過去9ヶ月のあいだ、700kmにわたるグレートバリアリーフ北部のおよそ67%の浅瀬のサンゴ礁が失われました。同じくグレートバリアリーフ北部に位置するリザードアイランド周辺では、約90%のサンゴ礁が死滅したといいます。これは4月に予想していたよりもずっと悪い結果だと科学者たちは報告しています。

白化現象で死滅したサンゴ礁

2016年1月~5月には、グレートバリアリーフの海面温度が月平均より1度高く、観測史上最も高かったことが伝えられています。海水温度の上昇がある程度長引くと、サンゴ礁は「褐虫藻」とよばれるカラフルな藻類を自ら追い出すことがわかっています。結果としてサンゴ礁は栄養不足の状態に陥り、上の画像のような白化現象が起きるのです。

死滅したグレートバリアリーフのサンゴの割合

「2016年に起きたサンゴ礁の死は主にグレートバリアリーフ北部で起きていて、同エリアは1998年と2002年に起きた大規模な白化現象のときには被害が少なかったが、今回はそうもいかなかったようだ」と、ARC Centreに所属する科学者のTerry Hughesさんは述べています。彼はまた、水温の上昇は二酸化炭素排出による結果であり、サンゴ礁の広大な死滅がこの先20年のあいだに毎年起きるだろうといいます。

一方、明るいニュースもあります。

Hughesさんによると、グレートバリアリーフ南部の3分の2はマイナーダメージで済んだのだとか。その辺りはサンゴ礁の状態がよく、死滅が確認されたのは1~6%程度。10月~11月に同エリアを調査したダイバーのAndrew Bairdさんは「鮮やかなカラーを取り戻したサンゴ礁は、今は良い状態だ」といいます。

サンゴ礁の白化現象は海洋生物の生態に影響を与えるだけでなく、地域の旅行業にも影響を及ぼすことが懸念されています。それも年間50億ドル市場で、約7万人の雇用を生み出してきた規模なのです。

白化現象の状況が改善するにしても長い年月を要することが考えられますが、もしHughesさんの言う通り、白化現象が毎年起きるなら、グレートバリアリーフのサンゴ礁の未来はどうなるのでしょうか?

今年のグレートバリアリーフの状態:
なんですかこのグレートバリアリーフは…
白化するグレートバリアリーフ、やはりどんどん死滅している

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source:
ARC Centre of Excellence For Coral Reef Studies

George Dvorsky - Gizmodo US [原文
(Rina Fukazu)

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