安全第一が一番、ってことで…。
秋のスマートフォーンシーンを残念な形で賑わせてしまった、Samsung(サムスン)の「Galaxy Note 7」。爆発や発火というあまりスマートフォンの故障としては聞かない事態を引き起こした原因は、なんだったのでしょうか?
その理由について、エンジニアリング企業Instrumentalが独自の推測を発表しています。

こちらはInstrumentalが分解し、ブログに掲載したGalaxy Note 7です。右側の拡大図を見るとわかるのですが、バッテリーとシャーシのマージンが0.1mm/0.3mm/0.5mm…と、極めて小さくデザインされていることがわかります。また、5.2mm厚のバッテリー部品が5.2mm厚のスペースに収納されているなど、ほとんど余裕のない設計でした。
通常、バッテリーは充電と放電を繰り返すうちに膨張することがあります。そしてそれを見越して、エンジニアは10%ほどのマージンを設けることが通常です。
しかし上画像のようにバッテリーがキツキツに収納されていると、バッテリーが膨らんだ際にシャーシ類に挟まれて圧力がかかり、それによってバッテリー内部の正極と負極を分けるセパレーターが損傷。これにより両電極が接触して発熱し、それにより発火や爆発した可能性が推測されているのです。
残念ながら、Samsungは現段階でもGalaxy Note 7の爆発原因を調査中として、公開していません。しかし次の新製品を発表する前に、この事故原因の公表と対策を取らない限り、消費者の信頼を得ることは難しいでしょう。
同社はすでに次期フラッグシップスマートフォン「Galaxy S8」を開発しており、イヤホンジャックやホームボタンがなくなりエッジレスディスプレイが搭載される…などの楽しみなうわさも伝わってきています。そのような素晴らしい製品を安心して発売するためにも、早い事故原因の公表が待たれます。
保守的なiPhone 7がSamsungを革新へと焦らせるあまり、Galaxy Note 7を発火させた?
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source: Instrumental
(塚本直樹)