曲を書いたり、囲碁で人間に勝ったり、AI(人工知能)の活躍の場は広がるばかりですが、「文章を書く」という分野においても目覚ましい発展を遂げています。
西日本新聞は10日、「ロボットに新聞記事を書いてもらおう」と題して、AIを記事執筆に活用した試みを公開しました。同社が利用したのは、米国のAutomated Insightsが開発下AI。Automated Insightsは、2014年にAP通信が決算報告書をAIで書く際に提携した企業です。
具体的には、日本気象協会九州支社からデータを預かり、西日本新聞の記者が数日かけて言葉や選択肢などの各種設定を行なったとのこと。事前準備は大変ですが、一度設定してしまえばずっと使えますものね。

そして、実際にAI記者が執筆した、1月10日の福岡県福岡地方の天気予報がこちら。
おはようございます。今日から新学期がスタートする学校が多いと思います。1月10日の九州北部(福岡県福岡地方)の天気予報は、晴れ時々くもりでしょう。降水確率は午前、午後ともに10%でしょう。傘は持たなくても大丈夫です。日中の最高気温は11度、最低気温は6度となる見込みです。前日より最高気温は1度低く、最低気温は4度低いでしょう。平年と比べて最低気温は2度上回り、最高気温は平年並みでしょう。
風は北西の風後北の風、海上では後北西の風やや強くなるでしょう。日の出は午前7時23分。日の入りは午後5時29分です。
今日のお出かけには、コートを着ないと寒いでしょう。今夜の夜空は、よく見れば星が現れるかもしれません。
いかがでしょう。まだ少し不自然な表現もありますが、とてもAIが書いたとは思えないほどの精度ですよね。むしろちょっと舌足らずなところが逆に人間味を感じさせるという、不思議なかわいらしさがあります。
それにしても驚くのは、記事を書くスピード。データを読み込ませてから文章が出てくるまでわずか1秒とのことですよ。
元々、膨大なデータを解析するのが得意なAI。そのうち気象情報まで取り込んで、予報から記事まで請け負っちゃうAIが現われるかもしれませんね。
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image by Gwydion M. Williams via Flickr
source: 西日本新聞
(渡邊徹則)