解像度がさらに上がったり、空からも撮れたり。
スマートフォンにくっつけてサーマルビジョンが見られるFLIR ONEを使えば、パン屋さんで焼きたてパンを一瞬で見分けられるだけじゃなく、警察とか軍隊の人みたいな気分を味わうこともできます。
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でも、今回のCES 2017でFLIRが発表したものの中で特筆すべきなのは、単にプレデターごっこを楽しみたいだけではない、というか楽しみのためにサーマルビジョンを使うわけではない、プロ向けのふたつです。
FLIR ONE Pro
ひとつめは、その名もずばりFLIR ONE Pro。第2世代のFLIR ONEと同じように、スマートフォンの下部に接続して使います。ただFLIR ONEのコネクターがLightningとmicro-USBに対応していたのに対し、FLIR ONE ProはLightningとUSB-Cをサポートしているので、USB-C対応のGoogle PixelやLG G5といったAndroid勢にくっつけて使えます。USB-C勢力、どんどん広がってますね。
また、FLIR ONE Proでは小さなホイールを回すとコネクターの長さを調節でき、スマートフォンをケースから出さなくてもきっちり接続できるようになりました。ケース使用派にとってはスマートフォンをケースから出すのってちょっと不安があるし、ましてFLIR ONEは建設現場とか屋外で使うことが多いはずなので、地味ながら大事なアップデートですね。

ただFLIR ONE Proの価格は400ドル(約4万6000円)と、250ドル(約2.9万円、米国内価格)のFLIR ONEよりだいぶお高めです。その分サーマルセンサーは160x120ピクセルと解像度2倍になっています。
空からもサーマルビジョン

さらにFLIRは、空からサーマルビジョンが撮れるアクションカメラ「FLIR Duo」を発表しました。解像度160x120のサーマルイメージングセンサーとともに、通常の動画が撮れるビデオカメラも搭載しています。
とはいえこのFLIR Duo、GoProの代わりにはならなそうです。Flir Duoに搭載のビデオカメラの解像度は1080p、または200万画素しかないんです。それに基本的にはドローンでの使用を想定しているため、防水・防塵性はありません。なのでスノーボードしながら4K動画撮影、みたいな使い方は、引き続きGoProに任せたほうがよさそうです。FLIR Duoで通常の動画を撮る主な目的は、サーマル動画と重ねることで何が写っているのか把握しやすくすることです。
FLIR Duoには2バージョンあり、ベースモデルは1,000ドル(約11万6000円)、遠隔からの温度測定精度を高めたFLIR Duo Rは1,300ドル(約15万円)となっています。
サーマルビジョンは多くの人にとって絶対必要なものではないにもかかわらず、FLIR ONEは驚くほどヒットし、最初の発売以降どんどん進化してきました。FLIR ONE ProもFLIR Duoも良いお値段ですが、プロ仕様と言われれば、「必要経費だから!」と自分を納得させるのに役立つかもしれません。
CES 2017:
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