原点回帰への暗示なのか?
Firefoxブラウザで知られるMozillaは、URLとの融合を強調した「moz://a」の新ロゴを発表しましたよ。ロゴデザイナーは、いまだに「Adobe Pagemaker」でも使いながらデザインしたのでしょうか。なんとなく1990年代のようなレトロなイメージを抱いたのはボクだけではないはず…。ロゴの中央にURLを示す部分が取り入れられている。それゆえ、見る人はすぐに、インターネットとの関連性が高い企業だと気づくだろう。
MozillaのクリエイティブディレクターのTim Murray氏は、Wiredにこんなふうに語って、新ロゴを得意気に紹介したんだとか。インターネットとはAOLですなんて時代ならばいざ知らず、このアプローチを革新的と感じる人はどれくらいいるのかな?
ただし、厳しいようですが、これまでのMozillaの歩みは、時代の読み誤りの繰り返しだったといえるでしょう。Firefoxは、ChromeにもMicrosoft Edgeにも抜き去られ、一時の栄光はどこへやら〜。オープンソースのメールで高い評価を集めていたThunderbirdは、いまやお蔵入りです。最大のつまずきは、Firefox OSだったでしょうね。iOSとAndroidに立ち向かう第3のモバイルOSとして成長するはずだったのに。
もちろん、Mozillaは失敗ばかり重ねてきたのではありません。いち早くFlashコンテンツの自動実行をブロックする措置を発表したときは、そのセキュリティー意識の高さが称賛を集めました。iOS向けに、ユーザーの特定が極めて困難になるプライベートブラウザ「Focus」をリリースしたときも、一定の評価は得られています。
では、Mozillaは、どこをどう間違ってしまったのでしょうか? 世にメジャーなブラウザとはInternet ExplorerかSafariくらいしかなかった時代、そこに分け入ってきたFirefoxの完成度の高さには目をみはるものがありました。とにかくネットサーフィンにスピード感を与え、セキュリティー面でも優れていました。さらには、タブブラウザとしての機能や広告ブロック、アドオンの追加などなど、Internet ExplorerにもSafariにもなかった革新性が満載!
と、先端と走り続けていると思われたのですが、いつのまにかライバルよりも遅いブラウザになってしまい、機能追加にこだわったのか重たくもなっていきます。64bit版のWindowsのサポートが、なぜすぐにできなかったのか...どうしてクラウド対応で、あそこまでChromeに遅れを取らねばならないのか...。
Mozillaが掛け違えてしまった糸は、取り返しのつかないところまできているようにも思えます。わざとレトロなイメージの漂う新ロゴデザインにしたのは、絶頂期にあったあのころに戻りたい気持ちの表われ? いえいえ、あくまでも今回のロゴは、革新的なデザインとして発表されているので、この説明は当たっていませんけど、再びFirefoxの栄光を見たいと願っている数多くのユーザーのためにも、ここから奇跡の大復活を遂げてほしいものですよね〜。
・まだIE使ってる? 仕事できる人はChromeかFirefoxを好むらしい...
Alex Cranz - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)