テクノロジーと人間、宇宙と地球の融合。日産とNASAが共同開発した技術「SAM」とは!

テクノロジーと人間、宇宙と地球の融合。日産とNASAが共同開発した技術「SAM」とは!

2017年、日産自動車はCESに初出展。それだけに力が入っていますよ。今回なんと日産が主催するCESツアーにご招待いただき、ラスベガスまで行ってきました。その日産が超強力プッシュしているのがNASAと共同開発した自動運転技術です。

いい加減、地に足がついた仕事がしたい(笑)

元NASAの技術者マーティン・シーハイス氏が日産自動車に転職したときの理由が上の見出し(超意訳)。NASAでマーズミッションを担当していたのですが、まわりは宇宙、広いし、暗いし、何もないし、誰もいないし、そろそろ地球上で人々の役に立つ仕事がしたかったそうです。

テクノロジーと人間、宇宙と地球の融合。日産とNASAが共同開発した技術「SAM」2
マーティン・シーハイス氏 image: Nissan

マーズミッションもいわば自動運転。ところが地球上のほうが障害物はあるし、鹿や人が飛び出てくるし、道路工事はあるしで宇宙よりめちゃくちゃ大変で、自動運転という点ではNASAより日産のほうが進んでいたんだとか。

ところが昨今流行りの人工知能、どれだけ学習を重ねてもどうしても未知の問題に対しては判断がつかないことがでてしまいます。宇宙でスタックしたら本当におしまいなので、NASAは遠隔で指示を出すテレオペレーションの仕組みが得意なのですが、日産にはない。ではそれをNASAと日産で共同開発しようと作ったのが自動運転とテレオペレーションの融合技術である「Seamless Autonomous Mobility(SAM)」。

video: Nissan

SAMと未来の管制ルーム

従来のような運転席がある自動化レベル3であればドライバーが運転すればいいですが、完全自動化しているレベル4の場合は、そもそもハンドル、アクセル、ブレーキがついてないドライバーレス車。これだと運転のしようがないんですね。

【いまさら聞けない】 「自動運転」と自動運転技術の違い

例えば突然崖くずれがおきた、水道管が破裂して道路工事が緊急で行なわれているところに差しかかかったとしましょう。すると自動車がどうしたらいいか判断がつかなくなって停止してしまいます。

ここでテレオペレーションの発動です。

テクノロジーと人間、宇宙と地球の融合。日産とNASAが共同開発した技術「SAM」3

車は自動でテレオペレーションのセンターへ通信します。そこでは担当者が周囲の状況を映像などさまざまなセンサー情報から判断し、安全な新しい経路(パス)を描きます。

するとその指示にしたがい、自動運転車は再始動して走行を続けることができるんです。

情報共有で2台目以降は自動回避

工事現場にさしかかる車が2台、3台とあっていちいちセンターまで連絡くるとウザ・・・いや面倒ですよね。ということで1台目で入力された新しい回避パス情報はクラウドで共有され、2台目以降は自動で回避します。

これなら1人のオペレーターで数十台から数百台をケアすることができますね。

今回はラスベガスのCES会場シリコンバレーのNASA構内を実際に通信で接続、NASA構内の道路で工事現場でスタックした自動運転車にラスベガスのオペレーターが指示を出して実際に回避してみせます。イメージは『ザ・ベストテン』の衛星中継。

テクノロジーと人間、宇宙と地球の融合。日産とNASAが共同開発した技術「SAM」4

使った車両はEVリーフを改造したドライバーレスの自動運転車2台。1台目がスタックした際オペレーターが指示した回避パスを使って2台目は自動回避

この技術はロボットタクシーロボット配送業などドライバーレス自動車の業務用途を想定しているということで、これがあるとますます自動運転車の普及が進みそうです。

video: Nissan

その他日産はマイクロソフトのAI技術、Cortana連携DeNA社との提携で日本国内で自動運転車の実証実験を行なう計画を発表しました。

ただ車両を作るだけではなく、もう時代は自動運転技術のその先まで来てますね。

top image: 野間恒毅
source: Seamless Autonomous Mobility: The Ultimate Nissan Intelligent Integration, YouTube 1, 2
参考: NASA, Nissan

(野間恒毅)

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