曲面ディスプレイTVは死んだ。CESを現地取材している記者が語る最新のTVトレンド

曲面ディスプレイTVは死んだ。CESを現地取材している記者が語る最新のTVトレンド

曲面ディスプレイTVは、すでに下火となった…。

CES 2017を取材している米GizmodoのAlex Cranzさんによる、各TVメーカーの動向を見て感じた「曲面ディスプレイTVの死」について。

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もしサムスンのTVイベントやLGの記者会見を見ていなければ、気づかなかったかもしれません。

かつては「テレビを救う」ともてはやされた、画面がカーブする不思議な曲面ディスプレイTVは死にました。地に足着けることもなく、メーカーの虎の子的な扱いを受けることも、もうありません。曲面ディスプレイTVは、より新しくより良い流行の影に追いやられ、消えようとしています。

サムスンはCES 2017の記者会見で、新しい4K、HDR液晶テレビ「Q9」など3つの新シリーズを発表。Q9はとても美しくてコンパクトで、釣り糸のような1つのコードから管理される入力端子類、そして超フラットなディスプレイで、一切曲がっていませんでした。これまではサムスンのハイエンドモデルTVといえば曲面ディスプレイを搭載して、スターのような扱いだった過去数年とはずいぶん変わったようです。

フラッグシップモデルのTVには、その企業が最も期待しているすべての機能を備える傾向があります。5,000ドル(約50-60万)以上の価値を与えられたTVというプロダクトに、たくさんの期待を込めて未来を約束しようとします。より新しい、より良いテクノロジーが誕生しても、今もTVは「WOW」を与えてくれると信じられているのです。

サムスンは、米ギズモードに対して、会社としてまだ曲面TVをまだ「信じている」と語りました。今年発表されたQ9より廉価版のQ7とQ8のディスプレイは曲面型ディスプレイモデルも出しています。でもフラッグシップモデルのQ9に関してはフラットディスプレイのみ。

さらにLGも、曲面型ディスプレイTVの存在をそっと隅っこの方に追いやっていることに気づきます。フラッグシップモデルのOLED W7の最大の特徴は、壁にぴったりと設置できること。パナソニックも平らでスリムなTVを発表。2年前の(そしてパナソニック初の)有機ELテレビ「X-65CZ952B」は、曲面を描いていましたけどね。

なぜ、曲面ディスプレイTVが静かに死に絶えようとしているのでしょう? それは販売台数が乏しいことに加え、曲面ディスプレイTVで可能な実体験とニーズが伴わないからです。

曲面のディスプレイは、テレビの真ん前・ど真ん中に座ると、信じられないほどの没入感を与えてくれますが、部屋にいる全員がその素晴らしい体験を得られるわけではありません。みんなでスーパーボウルを見て盛り上がる、みんなで映画を見続ける…といった「みんなで楽しむテレビ体験」の前では、無価値で役に立たないのです。

曲がったTVよ、さようなら。

まだ現れてから数年しか経ってないし、技術的に死んだわけでもないけれど、どうやら静かに消えても、誰も寂しく思わないみたい。今のTVのトレンドは、コードはひとつで大きなスピーカーを搭載しているものがクールなんだって。

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Image: Mario Aguilar/Gizmodo

Alex Cranz - Gizmodo US[原文
(mayumine)

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