任天堂が出してくれるのを待ちきれない方へ。
大人気の復刻版ファミコン。ケーブルの短さを除けばガジェットとして完璧、と米Gizmodoでも太鼓判を押されており、家を出たくない人へ最高のギフトのひとつとして挙げられましたが、遊べるゲームはファミコンのものだけで、30作品限定です。でも多くの人が、スーパーファミコンやメガドライブなどのゲームを遊べたら、と考えているわけです。ということで、米Gizmodoは今回、自宅で制作可能な自分だけの小型スーパーファミコンの作り方を紹介しています。
使用するのはRasberry Pi、エミュレータ、そしてちょっとしたナードな技術です。これらだけで、100ドルとかからず自分のスーパーファミコンが作れてしまうのです。もちろん、使用感は任天堂製のものとは違ってしまいますが、そもそも復刻版ファミコンが小さなLinuxコンピュータのようなものなので、まぁ、十分近いと言えるでしょう。
用意するもの

・Rasberry Pi 3 - 旧型のRasberry Pi 2でも問題ありませんが、3はポートがより多く、WiFi機能もついていて今は3の方が手に入れやすいでしょう。
・Rasberry Piケース - Etsyに行けば、スーパーファミコンそっくりなケースも手に入ります。3Dプリンタがあればこちらのファイルから自分でプリントすることもできます。
・microSDカード - 沢山のゲームを入れるなら、少なくとも8GBは必要でしょう。
・テレビかモニターに繋ぐためのHDMIケーブル
・USBゲームパッド - 拘りたい方は、8bitdoのこちらが最適でしょう。プレイステーションやXboxのコントローラーがあるならそれでも大丈夫です。
・普通のUSBドライブ
・再生用のテレビかモニター
・PiにソフトウェアをインストールしたりROMをコピーするためのコンピュータ
すべてを別々に購入することもできますが、AmazonのRasberry Pi用ホビーショップ、CanaKitから、コントローラー以外を75ドル(約8,800円)で一度に購入できます。
ステップ1: 組み立てる

ケースにRasberry Piを入れましょう。ゲームの中にはPiがかなり発熱するものもあるので、ヒートシンクのついたケースも良いかも知れません。
ステップ2: microSDカードにRetroPieをインストール

このミニスーファミを動かすのは「RetroPie」というソフトウェアです。RetroPieは、ファミコン、スーパーファミコン、Nintendo 64、メガドライブ、PCエンジン、ゲームボーイなど様々なゲーム機のエミュレータを搭載しています。
これを動作させるために、RetroPieをmicroSDカードにインストールします。
まずRetroPieのイメージファイルをこちらからダウンロードします。古いRasberry Piを使っている方は「Rasberry Pi 0/1」を、3を使っている方は「Rasberry Pi 2/3」を選んでください・
ダウンロードしたらイメージを抽出します。Windowsの方は7-Zipなどが必要になりますが、Macの方なら標準のアーカイブユーティリティで問題ありません。
次にイメージをインストール(2GBほど必要です)します。Windowsの方はWin32 Disk Imagerを使ってmicroSDカードにインストールし、Macの方はApple Pi Bakerなどをお使いください。
最後にmicroSDカードをコンピュータから抜いてRasberry Piに差し込みます。
Windowsの方は、RetroPieチームが作ったこちらのビデオも参照してみてください。RetroPie Wikiも非常に参考になります。
ステップ3: コントローラーを設定する
Rasberry PiにSDカードを入れたら、電源ケーブルを繋いでスイッチを入れましょう。
テレビセットやモニターに繋いだら、USBコントローラーを繋ぎます。
立ち上がるのには数分かかり、その後コントローラーのコンフィグ画面が表示されます。

コントローラーを使って画面をナビゲートしてください。ここからデバイスにインストールされたエミュレータを起動できます。
さて、ここまで来たらゲームをインストールしましょう。
ステップ4: ゲームのROMをインストール

さて、コントローラの設定が終わったら、最後にゲームをインストールします。そのためには、遊びたいシステム用のROMファイルが必要になります。
ここで留意しておかねばならないのは、これらのゲームの多くはもう20年以上生産されていませんが、それでも著作権で保護されているということです。なので実際にカートリッジなどで所持しているゲームと、パブリックドメインとなっているゲームのみコピーしましょう。ここでは、皆さんがROMファイルを所持する権利をちゃんともっていると仮定します。
ROMをコンピュータにダウンロードしたら、それらをPiに移します。方法はいくつかありますが、内2つはPiのWiFiを設定し、SFTPかSambaファイルシェアリングを使用します。どちらも多くの人には難しい方法ですが、非常に簡単な方法も存在します。
必要なのはUSBドライブ一個だけ。Macの方は、ドライブがFAT-32でフォーマットされていることを確認してください。この意味がわからなければ、すでにドライブがそのようになっていると考えても大丈夫です。
・USBドライブをコンピュータに差し込み、ドライブ内に「retropie」という名前のフォルダを作成します。
・次にドライブをRasberry Piに差し込み、Piが点滅し終わるのを待ちます(数秒かかります)。
・Piからドライブを抜き取り、コンピュータに戻します。
・先程作ったretropieフォルダの中に、「roms」というフォルダが出来ているはずです。その中には更にそれぞれのシステム用のフォルダがあります。手持ちのROMファイルを対応しているシステムのフォルダに入れてください。
・コピーが終わったらUSBドライブをPiに戻し、点滅し始めるのを待ってください。
・スタートメニューからRetroPieを終了してソフトを更新します。
ROMのPiへの移動が完了したら、USBドライブは抜いて構いません。これにてゲームが全てRetroPieに保管されました。もっとゲームを足したい場合は上記のステップを繰り返してください。
ステップ5: エンジョイ!

ここまで来たら、あとは遊びたいシステムとゲームを選んで、ゲームをプレイするだけです。
スーパーファミコンに関しては、米GizmodoのChristina Warren記者とAndrew Liszewski記者が、「絶対に遊ぶべきゲーム30作」を紹介しています。そちらも是非参考にしてください。
そもそも何故こんなことを?
一番望ましいのは、任天堂が独自の復刻版スーパーファミコンをリリースすることです。ですが、それがまだ実現されていない以上、自分たちで作るしかありません。
もちろん、KickstarterやIndiegogoで出ているレトロコンソールを買うこともできますが、真剣な話、これらは結局、自分で75ドルを払ってやれることと大差ありません。それに、自分で作るのって楽しいじゃないですか。
Christina Warren - Gizmodo US[原文]
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