『キングコング:髑髏島の巨神』ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督にインタビュー:「これが俺のやりたかったモンスターの戦いだ!」

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『キングコング:髑髏島の巨神』ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督にインタビュー:「これが俺のやりたかったモンスターの戦いだ!」

GODZILLA ゴジラ』から始まったワーナー×レジェンダリーの怪獣映画ユニバース「モンスター・バース」の第2弾となる映画『キングコング:髑髏島の巨神』。

今回はそんな期待の大作を任された、新進気鋭のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督にインタビューしてまいりました!

ちなみに、ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督とのインタビューはこれで2回目。前回の内容はこちらに掲載されていますので併せてご覧ください。

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――以前もおっしゃられていたように、今作はベトナム戦争映画の影響を色濃く感じさせる作品でしたが、その一方でジョン・C・ライリーの物凄くコミカルなキャラクターも印象的でした。あの面白キャラは最初から脚本にあったものなのでしょうか?

ジョーダン・ヴォート=ロバーツ(以下、ロバーツ):この映画の内容のほとんどは最初の脚本にはなかったものです。キャラクターはもちろん、世界観や時代背景は私が脚本家と一緒に山荘に篭って考え出したものです。

そして、ジョン・C・ライリーの演じるキャラクター「ハンク・マーロー」は、『地獄の黙示録』でデニス・ホッパーが演じた戦場写真家のパクリみたいなもんですね。また、私の声を代弁する人物でもあります。

シリアスなシーンの後にコミカルなシーンがあってまたシリアスになるといったトーンの変化は、前回の映画(『The Kings of Summer』)でもやったことでした。映画にトーンの変化を盛り込むのが好きなんです。

――「モンスター・バース」の基礎を築く作品でもありましたが、今後の展開について何か話せる事はありますか?

ロバーツ:私の仕事は(モンスター・バースとは関係なく)あくまでこの映画で、キング・コングの話をユニークな形で蘇らせ、現代の観客に届けるというものでした。

そして今ちょうど試写が始まって、「今までこんなの見たことないよ」みたいな感想が聞こえ始めたところなので、今後のことを考えるのは難しいですね。

――今作は、ぜひ今後も監督にモンスター・バース作品を作り続けて欲しいと思わせる素晴らしい作品でした。

ロバーツ:ありがとう。自分の作った映画ではありますが、ラストの戦いを見る度に「俺に数百万ドルの予算を渡してくれればこんなものが作れるんだぜ! これが俺のやりたかったモンスターの戦いだ!」ってなりますよ。

モンスター同士が映画の中でぶん殴り合うんですからね。あれは私が子供の頃に受けた影響が凝縮されたシーンだと思います。本当に信じられないくらい最高の形で子供の頃の夢が叶っています。

だから、もう一本撮ってくれと言われれば、僕の中の少年は「イェーッ!!」って大興奮することでしょう。

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***

33歳という監督としてはかなりの若手ですが、70年代の映画をこよなく愛し、それと同時にゲームや日本のアニメも大好きというクラシックへの愛と現代的感覚を持ち合わせたジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督。

インタビューで日本の文化を語る中で「自分は生まれてくる時代と国を間違えた」と語っていましたが、作品を見るとむしろこの時代に生まれて来てくれてありがとうと言いたいところ。『地獄の黙示録』や『プラトーン』で描かれた地獄のジャングルの恐怖と狂気を再現し、そこに現代最高の技術でリアルに描かれた今までにないモンスターを登場させ、しかも米軍や他のモンスターと戦わせちゃうという今でしか出来ない、そしてロバーツ監督にしか撮れなかったであろう本当に独特の作品でした。

しかも、怪獣映画ではありますが、人間も添え物に甘んじておらず、かなり強烈なキャラクターが続々登場しドラマをしっかり展開してくれます。そして早期かつコンスタントに怪獣が登場したり、オフビートでユーモラスなやり取りが行なわれたりと観客を飽きさせない構造になっていて、映画として驚くほど質の高い作品。今後のモンスター・バースでもう一度、いや何度でもロバーツ監督の映画を見せてくれと思わせてくれました。これからが楽しみな監督です!

『キングコング:髑髏島の巨神』は3月25日(土)丸の内ピカデリー・新宿ピカデリーほか全国ロードショー。

photo:ギズモード・ジャパン編集部
image: ©2016 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED
source: 映画『キングコング:髑髏島の巨神』オフィシャルサイト

傭兵ペンギン