NASAがエウロパで地球外生命探査を計画中。地表の氷をドリルで削ってサンプルを回収予定

NASAがエウロパで地球外生命探査を計画中。地表の氷をドリルで削ってサンプルを回収予定

早くて14年後、我々人類は地球外生命体を発見する...かも。

NASASDT(Science Definition Team)は、2016年から地球外生命体がいる可能性の高い木星の衛星エウロパへ探査機を着陸させる計画を進めています。SDTはNASAが招集した21人の科学者からなる研究チームで、2017年2月7日に最初の計画レポートをNASAに提出。レポートによると、エウロパに着陸した探査機が地表の氷を約10cm掘ってサンプルを回収し、地下の海生命の痕跡がないかを分析するという計画。探査機の打ちあげは早ければ2031年とのこと。あと14年、長いような短いような...。

NASAはそれに先駆け、2020年代にエウロパのフライバイ(接近)ミッションを控えています。このミッションでは、宇宙からカメラを使って地下の水が噴出している水柱や地表の割れ目を調査します。これにより、次の探査機でサンプルを回収するのに適した場所を見つけだすんですね。

エウロパの地下の海水は1990年代後半に行なわれた木星探査のガリレオミッションで初めて確認されました。しかしこれまでエウロパの海水が採集されたことはありません。地下の海は約19〜27kmもの厚さの氷の下にあるんです。そしてThe Daily Galaxyによると、その海は深さが約100km、濃度はわかりませんが液体の塩水で構成されていると考えられています。地球で最も深いとされるマリアナ海溝でさえ深さは約10km。いかにエウロパの海が深いかがわかりますね。今回の計画では地表10cmしか掘りませんが、成功すれば将来的には地下の海まで掘り進めるそう。

SDTのメンバーの天文学者Jonathan Lunineさんは米Gizmodoに発表された探査機について「素晴らしい設計だと思います。限られた積載量に収まるようにシンプルかつ機能的にデザインすることは難しいように思えましたが、その解決方法を見つけ出したエンジニアたちには感謝したいですね。今後20年の間に、私のやりたいミッションは十分に実現できているでしょうね」と語っています。

探査機は氷を削る掘削機の他にも、地表の様子を観察するカメラ氷の化学分析を行なう器具、地質学的活動をモニターする受振器を搭載するべきだとチームはレポートで報告。

「重要なのは『生命探査』が目的だということです。探査機は事前のフライバイミッションで決定された海の成分が堆積していると思われる場所に着陸します。そのサンプルから生命の痕跡を見つける装備が必要なんです」とLunineさんは語ります。研究チームは現在もしくは過去に生物がいた証拠となる同位元素や分子の発見を期待しています。

また博士はエウロパの海に生命体がいる可能性が高い理由についても「エウロパには巨大な岩が存在し、(中心部のコアが)熱を持っています。つまり海底熱水系が存在することは間違いないのです。生命探査するにはうってつけの場所ですね」と語っています。ただ水があるだけでなく、海中で熱水が噴出している可能性があるんですね。熱水の周りでは生命の活動が活発に行なわれているかもしれません。

着実に進むエウロパでの地球外生命体探査計画ですが、エウロパ以外にもう一つ、生命体が存在する可能性のある衛星をご存知でしょうか。土星の衛星エンケラドゥスです。エウロパと同様に氷に覆われ、その下に海があり、さらに南極からは常に海水が宇宙まで吹きだしていることが2005年に土星探査機カッシーニによって確認されています。どっちから調査をすればよいのか迷いますよね。

地球外生命体探査機関METI InternationalのDoug Vakochさんは「エウロパとエンケラドゥスのどちらに生命体がいる可能性が高いのかと言うと、今の時点では五分五分です。両方とも可能性があり、どちらかに絞ることはできません。本当に地下の海に生命がいるのかどうか知りたいのならば、両方調査する必要があるでしょう」と語ります。

2025年にエンケラドゥスにも探査機を送ると噂されるNASA。エウロパとエンケラドゥス、どちらにしろ、調査計画が進んでいることは間違いないようです。14年後には地球外生命体が発見されていてもおかしくありません。期待して待ちましょう。

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土星の衛星・タイタンで宇宙人を見つける可能性は?

image: NASA / JPL-Caltech
source: NASA 1, 2, 3, 4, 5, The Daily Galaxy, METI International, NASA Jet Propulsion Laboratory - YouTube
参考: AZoSensors

Rae Paoletta - Gizmodo US[原文 1, 2, 3
(Shun)

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