「ニンテンドースイッチ」レビュー:ゼルダは最高、今はそれだけだけど…

「ニンテンドースイッチ」レビュー:ゼルダは最高、今はそれだけだけど…

海外からの声「今は待て!」

3月3日に発売された任天堂の新ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」みなさんもう入手できましたか? 現時点でもかなりの品薄が続いているようですが、入手組からは「ゼルダは最高」との羨ましい声も聞こえてきます。

そんなNintendo Switchを、米Gizmodo記者のAlex Cranzさんがレビューしましたよ! はたして日本人のゲーマーと同じく、高評価をくれるのかな?

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Amazon(アマゾン)からの即時入手に失敗したので、発売日はNintendo Switchの入手のために多くの時間を費やしました。GameStopの長蛇の列に並び…そしてSwitchとその最高のゲームとの生活を数日間満喫した今、これだけは言えます。「探し回ってまで買う価値はない」と。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』には探し回るだけの価値があります。もはや、RPG作品の最高傑作といってもいいでしょう。ゲームデザインが素晴らしく、中毒性があり、ノスタルジーを掻き立てられ、プレイシステムも完璧。ただし現時点では、ゼルダが据え置き機と携帯機の融合を目指したNintendo Switchを買う唯一の理由であることを言っておかねばなりません。その悪い結果も含めて、ね。

ニンテンドースイッチ レビュー 1

Nintendo Switchは、明らかにタブレット端末です。ちょっと太っちょなAmazon(アマゾン)のKindle Fireのようです。タブレット端末として考えればSwitchは厚ぼったすぎるし、排熱を行なうこの巨大なスリットはどう見ても不格好。またバッテリーの駆動時間は2時間50分(ソフトによって異なる)でウェブブラウザは搭載されず、Netflixの再生もフェイスブックの更新の通知もできません。

ニンテンドースイッチ レビュー 2

Nintendo Switchの発表時、任天堂の君島社長は「最高のゲーム専用機にするために腐心している」と語りました。そして、PlayStation 4やXbox Oneとは競合しない、リビングルームだけでなくアウトドアでも遊べるゲーム機になると。

なら、なぜローンチ時に9タイトルしか用意しなかったのでしょう? さらに、オリジナルタイトルは4タイトルだけ。そのうち2つはパーティーゲームという有様です。300ドル(日本価格は2万9980円)もするゲーム機で、これはいただけません。

ニンテンドースイッチ レビュー 3

ゼルダはたしかに最高なんですが、それだけでは300ドルを支払うのには十分ではありません。Wii U版のゼルダの出来もSwitch版と同等ですし、さらにWii U版なら、プロセッサの処理負荷が高くなると画面がぎこちなくなるという問題を抱えていません。ゼルダは美しい背景や画面上のオブジェクトをすべて読み込むため画面処理が重く、プロセッサをストップさせてしまうのです。

ゼルダは最新世代のゲーム機のために開発されたタイトルなのにNintendo Switchがその処理に苦慮するということは、Switchはすでにその性能を使い切ってしまっているのでしょうか? マリオカートやスカイリムは大丈夫なのかな?

ニンテンドースイッチ レビュー 4

しかし、それはただの懸念でしかありません。PSPやPlayStation Vitaは美しいディスプレイやTVへのストリーム出力を実現し、素晴らしいゲーム群が登場しましたが、任天堂は30年以上の携帯ゲーム機の経験があります。その素晴らしいファーストパーティゲームやバーチャルコンソール(Nintendo Switchには未対応)に、期待せずにはいられません。

問題なのは、コントローラーの「Joy-Con(ジョイコン)」です。Nintendo Switchには左右のJoy-Conが同梱されていて、本体の両脇に装着することでVitaのような(でもずっと大きい)携帯ゲーム機として遊べます。この状態では確かにきちんと動作したのですが、巨大なゲーム機を握りしめる様はなんだか滑稽でした。

ニンテンドースイッチ レビュー 5

ただし、このJoy-Conは「Joy-Conグリップ」に装着することで単品のコントローラとしても利用できます。たたし、このグリップにはバッテリーが内蔵されておらず(充電可能な「Joy-Con充電グリップ」は別売り)、なによりこの状態だと接続に関する重大な問題が存在するのです。多分、これを解決するには「Proコントローラー」を購入するしかないでしょう。あとJoy-Conはバラバラの状態でも、Wiiリモコンのように両手に握りしめて遊ぶことができます。ゼルダのいくつかのパズルでは、このスタイルが有用でした。

また、Nintendo SwitchにはJoy-Conを活かしたゲームも登場しています。例えば『1-2-Switch(ワンツースイッチ)』や『いっしょにチョキッと スニッパーズ』などなど。1-2-Switchは50ドル(日本価格で4,980円)のJoy-Conのデモゲームといえばそれまでですが、Joy-Conはそのサイズにも関わらずモーションセンサーを搭載したコントローラーとしては素晴らしい実力があります。

ニンテンドースイッチ レビュー 6

しかし『いっしょにチョキッと スニッパーズ』を少しプレイしたあと、私は自問自答を繰り返していました。「なぜ、このようなゲームが存在するのだろう」と。任天堂はパワフルなゲーム機を作ろうとしながら、同時に10年前にWiiで集めた顧客を失わないようにしているようです。しかし、このような方向はNintendo Switchの目的、さらには存在意義を不明確にしています。

Nintendo Switchはいってしまえば、なりたい目標がないのです。リビングルームに据え置きにするゲーム機としてはパワー不足ですし、外出先で3時間ほど遊ぶ携帯機としては大きすぎます。任天堂は据え置き機と携帯機のギャップを埋めようとして、フランケンシュタインのモンスターを作ってしまったのです。据え置き機から携帯機へのスタイル変更はスムーズですが、PSPやPlayStation Vitaはほぼ同じ機能をより携帯機らしいサイズで実現していました。

ニンテンドースイッチ レビュー 7

Nintendo Switchがただのゼルダマシンでなく、またJoy-Conがマーケティング上のアイテムではないと思えた瞬間は、「SwitchとJoy-Conを組み合わせて、ゲームへの没入感がより増したとき」というごく稀な瞬間だけでした。

たとえば、ゼルダのゲーム内のカメラ機能を利用してチキンのスケッチでいっぱいの部屋を撮影しようとしたとき、Nintendo Switch本体を動かしてカメラのアングルを操作しました。まるでリンクと一緒の部屋に居るようにぐるぐる回したその操作は、少しの間ですが、たしかに素晴らしい瞬間でした。まるで任天堂が我々の没入感に対する欲求を理解し、まぬけで高価なVRヘッドセットを利用しなくてもゲームの世界を覗ける窓を見せてくれたようだったのです。

残念ですが、そのような素晴らしい瞬間をこれからのソフトでたくさん提供できるまで、Nintendo Switchに十分な価値はありません。もし、すでに買ってしまっていたら、300ドルのゼルダマシーンを存分に楽しみましょう。そしてまだ買っていなかったら、より多くのタイトルが揃うことを待ちましょう。今こそ、任天堂の底力を見せつけるときです。

まとめ

・ゼルダのプレイ時間は1回あたり3時間弱
・Joy-Conは任天堂の宣伝するほどではない
・コントローラーの接続問題やフレームレートの問題はなきにしもあらず
・でも、ゼルダは最高
・ローンチタイトルは8つあるけど、買う価値があるのはゼルダだけ
・ゼルダが見せてくれた没入感への潜在力は素晴らしい
・「今はまだまだだが、今後に期待」―io9のJames Whitbrook氏のコメント


ギズモード・ジャパンによるレビューはこちらからどうぞ。
「ニンテンドースイッチ」レビュー:”ゲームを遊ぶ”と”ゲームで遊ぶ”。2種類の遊び方をスイッチできるゲームハードの究極進化系

image: Gizmodo US
source: Nintendo

Alex Cranz - Gizmodo US[原文
(塚本直樹)

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