ニンテンドースイッチとPS VR。ゲーム新時代を切り拓くのか?

ニンテンドースイッチとPS VR。ゲーム新時代を切り拓くのか?

どちらも品薄状態が続く「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」と「PlayStation VR(PS VR)」。

現時点での販売台数は、ニンテンドースイッチ約150万台と推定され、PlayStation VR91.5万台に到達。発売からの日数ではニンテンドースイッチが短いものの、一方でPS VRはPS4の周辺機器であることや価格を考えると甲乙つけがたい結果です。

ゲームはどこに向かおうとしているのか、そう考えながら両方のデバイスを触ってみた感想をまとめてみようと思います。

ニンテンドースイッチ

ニンテンドースイッチの特長は、本体の合体や分離ができること。家ならテレビに映す、外なら小型のタブレットのような大きさの画面を使うなど、自分のライフスタイルに合わせて、以下の3つのモードをスイッチすることができます。

テレビモード
携帯モード
テーブルモード

まずは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、『1-2-Switch(ワンツースイッチ)』あたりのゲームをやってみました。

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『ゼルダ』はさすがのできばえ。確かにこの作品はオープンワールド(任天堂によれば「オープンエアー」)のゲームとしても、歴代のRPGとしても、最高傑作といって差し支えないでしょう。ただし、スイッチ本体を購入した人の89%が同時購入していることを踏まえると、仕方ないとはいえニンテンドースイッチの評価に『ゼルダ』の評価が入り混じっているのが現状です。

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むしろ今後をうらなうのは『1-2-Switch』における体験でした。「カウントボール」ではHD振動で手に伝わるボールを数えたり、「大食いコンテスト」ではモーションIRカメラを使って口の動きを感知させたり、とJoy-Con(ジョイコン)の機能をおおいに活用しているこのゲーム。

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なかでも、「Baby(赤ちゃん)」ではその名のとおり、携帯モードにしたニンテンドースイッチを“赤ちゃん”のようにあやすのですが、寝かしつけているうちにニンテンドースイッチというハードそのものになぜか愛着が湧いてきました。ゲームハードを買って興奮することはあっても、ハードそのものに愛着を持つ、というのは思い返してみれば子どもの頃以来かもしれません。

ただ、『1-2-Switch』もさまざまなモードに切り替えながら複数のミニゲームをこなすので仕方ない部分もあるのですが、そのたびにJoy-Conを本体につける、外す、そしてJoy-Conのストラップをつける、外すという作業が発生するのは興がそがれる気がしました。せっかくパーティーで使えるゲームなのに、その切り替えのせいでテンションが落ちるなぁと。シャッフルモードやチームマッチでは、モードの切り替えがなるべく減るような順番になるように調整できたりするともっとよかった気がします。

さて、スペックでは『ゼルダ』においてWii U版のほうが処理落ちしづらいなどとも言われていて一抹の不安があります。ただし、Unreal Engine 4Unityに対応したことで、PlayStation 4やXbox Oneとのマルチタイトルに期待ができるわけで、さんざん言われている“ソフトが少ない”という批判にどれだけ応えられるかは任天堂からソフトメーカーへの働きかけ次第です。

やや、これは…Nintendo Switchの「VRヘッドセット」らしき特許が出現2
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image: 任天堂 / U.S. Patent and Trademark Office

また、ニンテンドースイッチのハード自体もさまざまな進化をとげる可能性があります。すでにVRヘッドセット化する特許も申請していますし、テレビモードや分離機能を切り捨てた廉価版(「ニンテンドー3DS」に対する「2DS」みたいな)も考えられます。まずは“持ち出せる据え置き機”として売り出しながら、徐々に現在の「ニンテンドー3DS」を置き換える存在として統合する、というロードマップを任天堂が描いている可能性は高いでしょう。

だからこそ、もしもこのゲームハードが失敗に終わってしまったら…任天堂がゲームハードから撤退する、などという悲しいシナリオも見えてきます。セガが好きだった(初めてお小遣いを貯めて買ったハードはゲームギアだった)自分としては、そうなってほしくないですが。

PlayStation VR

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PS VRへの自分の評価は、「過渡期だが、だからこそ体験すべき」というもの。体験してわかったのは、現時点のソフトでも作り込みと配慮が行き届いていること。もちろん酔いがないわけではありませんが、進化への期待を感じずにはいられませんでした。

詳しい説明は発売当時に書いたハンズオンにゆずりますが、自分のなかでアップデートされた部分を列記してみましょう。

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image: ©2016 Sony Interactive Entertainment Europe. via 『DRIVECLUB VR』

まずはレーシングゲーム『DRIVECLUB VR』。ハンドルコントローラーも合わせて使用したところ、「あー、ほんと子どものころに思い描いていた未来に来たんだなー」としみじみ思いました。視界は完全にドライバーのアイポイントからのもの。少し視線を移せばインパネが、シフトレバーがそこにあるように感じます。実際に走り出しても、Gを感じたかのように錯覚が起きるんです。

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image: ©Enhance Games 2016, SEGA 2001 via Rhizomatiks Research

また音楽シューティングゲーム『Rez Infinite』は、今まさに開催中のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)でも出展されているゲームでの視覚・聴覚体験を触覚まで拡張する「Synesthesia Suit」は白眉。共感覚(シナスタジア)を全身で体験できるというさらなる拡張を遂げています。

いずれもPS4とPS VRだけではできない体験なのですが、こうした周辺機器との組み合わせにより、没入感はどこまでも進化できる可能性があります。ただ、そう考えると現状のDUALSHOCKPlayStation Moveだけでは物足りなくなってきます。特に、PlayStation Moveは2010年に発売されたもの。現在の技術を使えば、もっとすぐれた体験をデザインできるはずです。

まとめ

Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)とPlayStation VR(プレステVR・PS VR)2

ゲームのど真ん中を再発明した(そして終わらせるかもしれない)、ニンテンドースイッチ

ゲームの深淵をのぞこうとする(ただし過渡期にある)、PlayStation VR

両方を体験した今、そう感じています。

自由奔放にゲームを再解釈し、再構築したものの、サードパーティー不足という長年の課題をクリアしない限りは不安が残る「ニンテンドースイッチ」。どこまでもまっすぐに進化を続けた結果としてVRにたどりついた「PlayStation VR」。個人的な好みで言えば、より未来を発売前に感じていたのはPS VRでした。そして購入した結果、その期待は裏切られていません。一方で、スイッチには実際に触ってみてはじめてわかる楽しさがありました。

半年ちょっとのあいだにこのふたつのハードが生まれた今、その両方を楽しめることに喜びを感じずにはいられません。いくつかの不安や不満を解消しさえすれば、ニンテンドースイッチとPlayStation VRがゲームの新時代の切り拓くと確信しています。

「ニンテンドースイッチ」レビュー:”ゲームを遊ぶ”と”ゲームで遊ぶ”。2種類の遊び方をスイッチできるゲームハードの究極進化系
「PlayStation VR」ハンズオン。過渡期だが、だからこそ体験すべき

image: ギズモード・ジャパン編集部, 任天堂 / U.S. Patent and Trademark Office, ©Enhance Games 2016, SEGA 2001 via Rhizomatiks Research, ©2016 Sony Interactive Entertainment Europe. via 『DRIVECLUB VR』
source: Nintendo Switch, PlayStation VR

(松葉信彦)

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