でっかいスマートフォン、片手で文字入力したいのじゃ。
スマートフォンの画面が大きければ大きいほど見やすくなるけれど、それに比例して片手での操作、特に文字入力が困難になります。キーボードの端から端まで届く長くて柔らかい親指だったらいいんだけど、ほとんどの人の指では届かないのが実情。一方、最近の調査では「歩きスマホ」している人の85%以上が片手でスマートフォンを操作しているそうです。
そんなスマートフォンのQWERTYキーでの文字入力のUXそのものを変えてしまおうというのが、イギリスのセント・アンドリュース大学やNECマレーシア等で構成される研究チームが開発した、新しい文字入力方式SWiM(Shape Writing in Motionの略)。QWERTY配列のキーボード上に表示されたボールを傾けながら転がし、入力したい文字の上にボールが到達した瞬間にタップして入力していく、という仕組みです。
スマートフォン端末に内蔵されている傾き検知のセンサーを利用していて、指を動かす代わりにボールを動かすことで、操作を拡張できるようになるというわけです。実験では、この入力方式を初めて扱うユーザーが、「最小限の練習」後、1分あたり15単語を入力できるようになり、さらに90分の練習後には、1分間に32単語入力できるようになったそうです。

この文字入力方法は、スマートフォンだけでなく、画面が小さいスマートウォッチといったウェアラブルデバイスや、セットトップボックスのリモコン(Apple TVやAmazon Fire Stickなど)、そして視界がふさがれてキーボード入力デバイスを見ることができない、VRシステムのための文字入力方法としても有効です。
ゲーム感覚で操作できるのも楽しそうで慣れたら速そうですが、高速で手首を動かし過ぎて腱鞘炎にならないか心配になります…。
image: The University of St Andrews, TcBoY Yeo / YouTube
source: The University of St Andrews, TcBoY Yeo / YouTube
(mayumine)