「スティーヴ」と名付けられた謎の巨大な光。高度300km地点の温度を3,000度も上げる

「スティーヴ」と名付けられた謎の巨大な光。高度300km地点の温度を3,000度も上げる

新しいタイプのオーロラ?

ご紹介します。こちら「スティーヴ」と名付けられた大気現象。摩訶不思議な現象で、未だに正式な科学名や詳細がないため、とりあえずスティーヴという素敵な名前をもらったそうです。現在スティーヴについては色々調査がされている段階ですが、まだ不明なことばかりだそうです。

スティーヴは去年、Facebook上のAlberta Aurora Chasersというグループによって撮影されました。その美しさとSNSの力が合わさって、あっという間に50名以上のレポートが集まりました。この紫と緑のリボンのような姿は他のオーロラとは形状が異なっているのですが、一体なんでこのような形なのかはわかっていません。AlbertaAuroraChasersは、映画『森のリトル・ギャング(Over the Hedge)』のあるキャラクターが名前がわからない正体不明ものを「スティーヴ」と呼んでいたところから、この不思議な光のリボンにスティーブという名前を付けました。

スティーヴ

そして、このFacebookのグループの熱心にスティーヴを追う姿勢が、ついにNASA、欧州宇宙機関(ESA)、カルガリー大学の科学者たちを動かすことになりました。現在こちらの科学者たちのチームがスティーヴの解明に乗り出しているそうです。

Aurorasaurusによると、スティーヴのこと、だんだんわかりつつあるみたいです。まずカナダのカルガリーで現れるスティーヴは、25〜30kmくらいの幅で、長さは何千kmにも及ぶ可能性もあるとのこと。そして出現してから1時間ちょっとは形を保っていて、出てくる時期としては10月から2月くらい。色は紫っぽいのが多くて、緑の柵みたいなのが付いていることもあるんだとか。最初はプロトン(陽子)の一種かなにかだと思われていたそうですが、プロトンオーロラは裸眼では見えないため、とりあえず今のところは正体不明ということになっています。

カルガリー大学の物理・天文学部のEric Donovan准教授は、ESAの地磁気観測衛星SWARMが収集したデータを利用してスティーヴのさらなる解明を目指しているそうです。SWARMは高精度・高画質でオーロラを生み出している地球の磁場の強さ、方向などのデータを収集します。

こちらはRory Aurorasaurusが公開したスティーヴの動画。

そしてなんと先日、スティーヴの中をSWARNが通り抜けて、データを収集したそうです。ESAのプレスリリースに発表された准教授のDonovan氏の記録によると、「地上から高度300km地点の温度が3,000度まで一気に上昇。データによると、25kmにも渡る幅のガス状の帯は、帯の側面部分は秒速10mのスピードで動いていたのに比べて、秒速6kmという速さで西方向に流れていた」と記しています。

ま、ま、待ってください。3,000度!? Donovanさん、なにか間違ってません?

「いや、この温度の上昇の数字は正しい記録です」と米Gizmodoに答えてくれたDobovan准教授。一体なにが原因なのかを聞いてみると、「私の同僚と一緒にこの現象が起こった時の状況を調べています。なんとなく理由がわかっていますが、はっきりとはしていません。でももうすぐ発表するつもりではいます」とのこと。そしてスティーヴのおもしろいことは、その現れる頻度なんだそうです。オーロラと比べるとスペクトルや色も違いますもんね。不思議なスティーヴです。

「カルガリーで私も数カ月前に見ているんですが、かなり明るいものでした。同僚は赤道地方でのオーロラなのではないかと言っていますが、あまり研究がされていないオーロラのタイプなので、存在するとも知りませんでした」とのこと。スティーヴの正体、早く知りたいですね。

宇宙に向かって青々と光る謎の現象「ブルージェット」その正体がだんだんと判明してきました

image: Dave Markel Photography via ESA
source: ESA, Aurorasaurus, Rory Aurorasaurus - YouTube

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(岩田リョウコ)

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