そのタオル、本当にオーガニック? 確実にわかる技術できてます

そのタオル、本当にオーガニック? 確実にわかる技術できてます

繊維そのものにバーコードをペタリ。

Tシャツとかタオルとかに「オーガニックコットン」って書かれてると、なんか肌触りが良いような気がしたり環境に優しそうに見えたりするんですが、本当にオーガニックなのかどうかは確かめようがありません。でも今、それを確認する方法が開発されているみたいです。

米国カリフォルニア州のコットン業者PimaCottは、木綿の中でも感触が良く丈夫なピマコットンを専門的に取り扱い、ハイエンドなシーツなどに使われています。PimaCottをはその品質を証明すべく、DNA技術を持つApplied DNA Sciencesと提携しました。Applied DNA Sciencesの技術を使うと、シーツやピロケースの繊維を分析することで、その繊維がPimaCottの製造したものかどうかがわかるんです。

video: Applied DNA Sciences, Inc.

PimaCottでは、収穫した綿花からゴミなどを取り除いて「原綿」として製品化する工程の中で、Applied DNA Sciencesの「SigNature®T DNA」という植物由来のマーカー素材を綿に吹き付けます。このマーカーが、綿の出自を証明するバーコードの役割を果たします。

原綿はその後世界各地を渡って糸になり、布になり、シャツやシーツになりますが、PimaCottはその各ポイントでマーカーをチェックし、製品がたしかにPimaCottであるかどうかを確認できるそうです。2014年からこの手法が使われ、すでに1億ポンド(約4.6トン)のコットンにDNAマーカーが付けられているんだとか。

違う素材を吹き付けたら綿100%じゃなくなっちゃうじゃん、と思いきや、吹き付けられるマーカーの量は綿の10億分の1とごく微量です。それでもこのマーカーは、原綿が最終製品になるまでのいろいろな段階を経ても、ちゃんと残っているそうです。

PimaCottはもうひとつ、Applied DNA Sciencesの技術「fiberTyping」も使っています。これは布や糸そのもののDNAを分析することで、そのコットンがピマコットンのような高級品種かどうかを見分けられる技術です。Applied DNA Sciencesはコットンの葉緑体のゲノムを分析することで、ゲノムのどの部分が品種によって変化するのかを特定しているため、そのような識別が可能になっているそうです。

Applied DNA Sciencesによると、彼らの技術で証明できるのは、ピマコットンやオーガニックコットンだけじゃありません。同社のプレスリリースによれば、綿の主要産地であるウズベキスタンでは綿農場での強制労働が常態化しているのですが、彼らの技術で綿の産地を特定できれば、倫理的に問題のあるプロセスで生産された素材を避けることもできます。同じ技術はウールなど他の繊維にも、もっといえば紙幣とか貴金属とか、ありとあらゆるものの特定・トラッキングにも使われています。

ここ数年、食品に関しては食品偽装問題あたりからトレーサビリティが重視されるようになって、個装パックにQRコードが付いてたりします。でもパックに貼ってあるシールくらいじゃ中身だけ入れ替えることも可能ですが、繊維にくっついたマーカーや繊維そのもののDNAを分析できるなら、ごまかしようがありません。

ただもちろん、これだけの手間や専門的な技術を使うにはコストがかかります。もともと普通より高価なものに、その値段の裏付けを埋め込むためにさらなるコストをかけるってことになります。

とはいえ買う側からすると、せっかく奮発する分それが良いものかどうか、ちゃんとしたプロセスで作られたものかどうか確実にわかるっていうのは心強いです。Bloombergによれば、Applied DNA Sciencesの調査ではエジプト綿100%を自称する商品のうち実に83%にエジプト綿じゃないものが混入、またはエジプト綿がまったく使われていなかった(!)ことが判明しています。これからはそんな残念な買い物がなくなっていくように、こういった技術にはもっと普及していってほしいです。

top image: Paul Matthew Photography/ Shutterstock.com
source: PimaCott, Applied DNA Sciences, Bloomberg, Bitcoin Magazine,

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(福田ミホ)

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