LGのフラッグシップスマホ「G6」レビュー:G5の反動でシンプルになりすぎた…

LGのフラッグシップスマホ「G6」レビュー:G5の反動でシンプルになりすぎた…

ゴチャゴチャと機能がありすぎてもダメ。無さすぎてもダメ。

スマートフォンの世界は苛烈な競争の連続です。新しいフラッグシップ機は常にユニークな機能を求められ、時に却ってスマートフォンの魅力を台無しにしてしまうことすらあります。

LGはそこから学んだのか、2月の末に発表した新型のフラッグシップモデル「G6」に関してはシンプル・イズ・ザ・ベストの道を選択した模様。ですが、米Gizmodoの記者Michael Nunezさんは、シンプルだから良いというものでもないとG6を評価しています。では、詳しくレビューを見てみましょう。

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ユニークな機能でもない限り、スマートフォンの世界で目立つのはなかなか難しいものです。LGはそれをしっかり自覚しているため、新しいアイデアを試すことを今まで躊躇しませんでした。曲面ディスプレイを初めて導入した会社のひとつだし、去年はカメラやスピーカーなどのアクセサリーをガチャっと取り替えられる「マジックスロット」を備えたびっくりな携帯、「G5」をリリースしました。しかしG5は酷評され、売上も散々でした。そこでLGは、今年のフラッグシップ機であるG6でリセットを行ない、必要最低限のもの以外を一切搭載しないスマホを作りました。

“18:9”の縦長ディスプレイ

一目見ると、G6はかなり好印象です。大きくて美しい5.7インチのディスプレイが、ほぼフロント全面を覆っており某Google謹製スマホと違ってベゼルは最小限です。アルミニウム製のボディはしっかりとした作りで、内部のハードウェアは現在トップを行くスマートフォンに引けを取りません。

手にとってすぐ気付くのは、G6の奇妙な縦横比です。それもそのハズ、G6のディスプレイはアスペクト比が18:9なのです。つまり、一般的な16:9のスマートフォンより縦に長い形になります。

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左右の黒はベゼルではありません。ビデオのアスペクト比がディスプレイのそれと異なるので余っているのです。

この違いは、YouTubeやNetflixなどで動画を観るときに顕著になります。ほとんどの動画は18:9の画面に対応していないので、上の写真のように左右に黒いボーダーが入ってしまうのです。Netflixの『ストレンジャー・シングス 未知の世界』などは18:9で制作されているので、G6での見栄えは素晴らしいものですが、多くはまだ伝統的な16:9なのでどうしてもスペースが余ってしまうのです。私は1週間このデバイスを試しましたが、左右のボーダーにはどうしても好きになれませんでした。

かなり広角なデュアルカメラ

背面のカメラはお気に入りになりました。iPhone 7/7 Plusや最近発表されたSamsung Galaxy S8/S8 などとも渡り合える、13メガピクセルのカメラが2つ背面についています。その1つは125度の広角レンズで、75.4度が限界のiPhone 7 Plusより広い範囲が撮影できます。これにより、風景を撮ったり、酔っ払ってフラフラでも、ちゃんと友達全員をグループ写真におさめることができます。

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ワイドレンズのカメラはクリエイティブな自由をかなり与えてくれるので、アマチュア写真家には大いに喜ばれるでしょう。しかも前面にもワイドレンズを搭載しているので、たくさんの人とセルフィーも撮影できます。

同様に2つの背面カメラを持つiPhone 7 Plusと比較してみたところ、G6は広角と望遠の2つのレンズの切り替えがiPhoneほど速くありませんでした。iPhoneは瞬時に切り替わるのですが、G6は切り替えに1秒程の遅れが生じるのです。多くのユーザーにとっては大きな問題にならないでしょうが、切り替えを素早くしたい人にはフラストレーションとなるかもしれません。

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これが通常の焦点距離。タイトで視野が狭いのがわかります。

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これが広角の焦点距離。より広い範囲が撮影できます。

G6のカメラは反応が良く、フレーミングに適していると私は感じました。また、主なライバルのAndroid携帯であるGoogle PixelやSamsung Galaxy S8は、どちらも広角レンズを備えていない(シングルレンズ)点も比較するうえで重要です。

だけど特徴はこれだけ

広角なカメラは非常に使いやすくデュアルレンズである点も高機能に感じますが、逆にカメラを除くと、G6はあまり機能的ではありません。OSはLGによってカスタマイズされたAndroidで、プリインストールされているアプリも数えるほどしかありません。例えば「Square Camera」はInstagramもどきのアプリで、正方形の写真を撮ったり、Match Shotという機能で正方形の写真を上下に並べることができます…が、より優秀な他社製アプリがいくらでもあるので、多くの人はアプリの存在を無視するかアンインストールするでしょう。

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またG6は、Pixel以外で初めてGoogle Assistantを搭載したフラッグシップ機です。サービスを利用してみたいけど、Pixelのハードウェアに躊躇してしまう人には意外な朗報となりました。個人的に、Google Assistantはまだまだ使い物にならないと感じていますが、より多くの人が使えばそれだけ改良されていくでしょうし、将来的には有能になる可能性があります(関連記事:Google AssistantをSiriと比較。もっと人間らしいAIのはずでは...?)。

LG G6に搭載された機能はそれくらいです。実験的、あるいは野心的すぎる機能も無ければ、他から特に秀でた機能もありません。G6は、複雑になりすぎた去年の失敗の反動でシンプルになりすぎてしまったのです。LGはあらゆるものを削ぎ落とした結果、特筆すべき点までなくしてしまいました。G6は必要最低限以上を一切持たない、現実主義なフラッグシップ機なのです。

670ドル(約7万4千円)の価格では、恐らく他社のフラッグシップ機を買ったほうがいいでしょう。どれにしても、より多くの機能とより優れたハードウェアを持っているからです。またiPhoneやGoogle Pixelのほうがアップデートをすぐに受け取れるという利点もあるでしょう。それに80ドル上乗せすれば、虹彩認証やAIアシスタント、高品質なヘッドホンなど多くの素敵な機能を備えたGalaxy S8が購入できます。今回、LGは冒険を嫌いましたが、それ故に安全すぎるように感じます。

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まとめ

・18:9のアスペクト比が原因で、一般的なビデオには黒いボーダーが出る。

・他の機能はどこ?

・広角レンズは最高で、是非とも欲しい。

・LGのカスタムAndroidは期待はずれ。

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image: Gizmodo US
source: LG USA
reference: LGエレクトロニクス・ジャパン, Samsung US

Michael Nunez - Gizmodo US[原文
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