実写版『攻殻機動隊』のルパート・サンダース監督にインタビュー:「入り口は簡単だけど、中に入っていくといろんな疑問や質問が生まれる」

実写版『攻殻機動隊』のルパート・サンダース監督にインタビュー:「入り口は簡単だけど、中に入っていくといろんな疑問や質問が生まれる」

漫画をはじめとし、アニメ、映画でも世界的な人気を誇る『攻殻機動隊』シリーズを実写化した映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』。

今回はそんな本作を手がけたルパート・サンダース監督にインタビューしてきました。『攻殻機動隊』シリーズを継承したサイバーパンク的な世界観やストーリーの作り方、監督の『ゴースト・イン・ザ・シェル』についての思いを語っていただいています。

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――今作は、今までの『攻殻機動隊』シリーズから設定やストーリーをそのまま持ってきている部分がいくつか見受けられたのですが、これらの要素を採用するときの基準はなんだったのでしょうか。

ルパート・サンダース(以降、ルパート):直感といいますか、ほとんどが僕の勘です。『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、『イノセンス』、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』を全部見て、その中から一番自分に響いたイメージやシーンを壁に全部はり出しました。それらをグラフィックノベルとして自分で書き写し、そこにストーリーや今回のイメージが全て含まれていたんです。

――今作は『攻殻機動隊』シリーズの中でも、とてもわかりやすい内容になっていると感じました。『攻殻機動隊』は「人間の魂の所在」が一つのテーマですが、今作を製作する上でこのテーマ性をわかりやすく伝えるために意識したことはなんですか?

ルパート:私としては問いかけに答えを出すわけではなく、まず「問いかけ」をしたいと思っていました。その上で、魂やゴーストについて、臨場感たっぷりで想像力を掻き立てるようなアクション映画にしたかったんです。なので、すっと物語に入り込めても、いろんな比喩や思想といったテーマが含まれています。アニメーションではそういったテーマが表面にありましたが、私としてはできるだけ入り口は簡単だけど、中に入っていくといろんな疑問や質問が生まれるような作品にしたかったんです。

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――今作はロボットや街の造形といった世界観の作り込みが素晴らしかったです。街の描写ではホログラムで投影されたゲイシャの広告が写っていて映画『ブレードランナー』を思い返したのですが、本作の世界観を作り上げるにあたって影響を受けた映画はありますか?

ルパート:(ゲイシャの広告は)『ブレードランナー』のオマージュです。私はリドリースコットが大好きで、もちろん『ブレードランナー』もそうですし、『エイリアン2』とか、あとはタルコフスキー監督の『ストーカー』とか、『2001年宇宙の旅』にも影響を受けました。ただ『攻殻機動隊』シリーズだけで非常に多くのインスピレーションがあったので、それほど参考作品は必要じゃなかったです。

また町の様相は現実をちょっと誇張したかのように、顔や物を使った広告などがその辺に浮かんでいます。これは『イノセンス』に出てくるような、ちょっとお祭り的で想像力を掻き立てる街並みを意識しました。

――人工知能やVR(バーチャルリアリティ)が身近になりつつある時代に作られる『攻殻機動隊』は、今までの作品とはまた違う意味を持つと思います。今作は『攻殻機動隊』シリーズの中でもどういった役割を担う作品になると思いますか?

ルパート:今の時代はデータが全てです。例えば、iCloudに自分の個人的な情報をあげればあげるほど、サイバーアタックを受けやすくなるという時代になってきました。さらにスマホなどのGPSがハッキングされると自分の居場所までもがわかってしまいます。それがもし電脳になると、自分の夢や考え、概念みたいなものまでハッキングされてしまいます。そういったテクノロジーが氾濫する時代の中で、人はどうやって人間らしさを保てるのか、そしてどんな場合でも人間性を失わないようにしないといけない、という思いがありました。

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――アニメを実写化にするにあたって意識したのはどういった点でしょうか?

ルパート:アニメーションは想像したものをそのまま描けると思います。しかし、実写となるとすごい想像をすることはできても、それをどうやって現実的に作るのかが問題になってきます。私の場合はあまり視覚効果とかCGに頼りたくないんです。なので、なるべくカメラで撮影し、リアル感が欲しい。何でも想像することはできるけれど、それをどうやったら撮れるかっていうところまで考えないといけないですね。

――今後も新たな攻殻機動隊シリーズとして展開していく可能性はありますか?

ルパート:あと2週間(取材日から数えた映画公開日)経ったらそれがわかります(笑)。

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今までの『攻殻機動隊』シリーズよりも入り口がわかりやすいとのことなので、初心者でも楽しめる内容なのではないでしょうか。『攻殻機動隊』シリーズの入門としてぴったりかも?

また今までの『攻殻機動隊』シリーズをオマージュしたシーンが満載ですし、サイバーパンク的世界観も素晴らしいので往年のファンやSF好きも楽しめる内容となっています。ゲイシャの広告が『ブレードランナー』のオマージュっていうのもアガる!!

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パラマウント・ピクチャーズ(日本版)

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』は4月7日(金)より全国ロードショー。

実写版『攻殻機動隊』の本編から9分間の映像が公開。少佐はどのようにして生まれたのか?

photo: ギズモード・ジャパン編集部
image: (C) MMXVI Paramount Pictures and Storyteller Distribution Co. All rights Reserved.
source: 映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』公式サイト, YouTube

(K.Yoshioka)

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