物理ボタンの満足感がありつつ、このサイズ。
Kevin Batesさんは2014年、名刺サイズでテトリスがプレイできるゲーム機「Arduboy」を作り出しました。その話題はあっという間にネット上で拡散、多くの人が欲しがりました。
その後、ArduboyはKickstarterキャンペーンを経て、いろんなゲームが遊べるオープンソースのゲームシステムとして世に出ました。しかしBatesさんは「テトリスができる」ってところにこだわりがあったんでしょうか。ついにテトリスの正式ライセンスを受けて、名刺サイズのテトリス専用ゲーム機「Tetris MicroCard」を発表しました。

そのサイズは横3インチ(約7.5cm)少々に縦2インチ(約5cm)、一般的な名刺よりちょっと大きいくらいで、厚さは5mmと名刺入れにも十分入ります。ただBatesさんが最初に作ったテトリス名刺は厚さ1.6mmしかなかったのでそれよりは厚いんですが、このTetris MicroCardにはプレイしやすい物理ボタンが搭載され、全体は透明プラスチックに覆われてるので中身の部品もきちんと保護されてます。

Tetris MicroCardでプレイできるのはごくベーシックなテトリスですが、難易度は15段階あり、懐かしいテトリスのテーマも流れます。音を出したくないときは、ミュートスイッチを押せばOK。
ゲームの中身はクラシックで、ブロックがひたすら落ちてくることの他には、次のブロックのプレビュー表示、今落ちているブロックの着地場所表示、それくらいです。後々のバージョンで追加された便利機能、たとえば後で使いたいブロックをキープしておく機能もないし、一時停止もできません。一瞬何かに気を取られたりしただけで、全消しするために溜めてきた努力が台無しになったりします。

ディスプレイは明るくハイコントラストな1bit OLEDですが、解像度は128×64ピクセルぽっきりです。初代ゲームボーイより低解像度で、かつてのテトリスよりさらにベーシックになっています。

グラフィックスはスマートフォンとは(悪い意味で)比べ物にならないとはいえ、物理ボタンのおかげで、スマホのタッチでブロックを転がすよりずっと自然な感じがします。
Tetris MicroCardには全部で6つのボタンがあり、十字状の4つのボタンではブロックを左右に移動させたり素早く落としたりして、丸い2つのボタンではブロックを左右回転させます。本体が薄いのでボタンはあまり深く押し込めませんが、感触は素晴らしく、初代ゲームボーイを彷彿とさせます。バッテリーはフル充電で6〜8時間とされているので、会議1週間分くらいはこれでつぶせるでしょうか。

Batesさんが以前作ったカードサイズゲーム機・Arduboyはオープンソースで、いろんなゲームがプレイできるようになってます。でもTetris MicroCardでは、残念ながら他のゲームはプレイできません(計画時点では、そういう話もあったんですが)。でもテトリス専用マシン、以上!ってとこが、ファンとしては逆に良いような気もします。

というか、Arduboyでテトリスまたは同じようなゲームがプレイできれば、このMicroCardを使う必要はないんです。でもライセンスの問題があって、今正式にテトリスがプレイできるカードサイズゲーム機は、Tetris MicroCardしかありません。Arduboyが49ドル(約5,300円)なのに対し、Tetris MicroCardは60ドル(約6,500円)近くするので、そのへんはちとモヤっとするところではありますが。
さらにモヤモヤするのは、Tetris MicroCardが今はプレオーダーもできなくなってしまっていて、いつどこで買えるかはっきりしないことです。Batesさんは「今後数カ月でいくつかのショップで購入可能」と言ってるのですが、それが具体的にどこなのかも発表されていません。でもArduboyは今ちゃんと世界中で売られていることを考えると、そのうちなんとかなるんじゃないでしょうか。詳細について知りたい人は、公式Webサイトからコンタクトできます。
ひとたびTetris MicroCardを手に入れられれば、この横長の本体とボタンのレイアウトはテトリスにぴったりです。お財布にひとつ入れておけば、ちょっとした時間にいつでもテトリスの世界に入り込めますね!
images: Andrew Liszewski / Gizmodo US
source: Tetris MicroCard
reference: Gizmodo US 1, 2, Arduboy
Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)