今では名作カルトでも公開当時は大問題になった映画10選

今では名作カルトでも公開当時は大問題になった映画10選

残虐すぎるホラーも、神の冒涜とされたコメディーも。

公序良俗や宗教などのタブーに触れ、問題作として公開禁止や延期になった映画作品というのはこれまでいくつもあるかと思います。しかし時代が変われば常識も変わり、今ではカルト作品としてマニアックな人気を誇る映画に成長を遂げたものも多くあるのです。

今回は、io9がまとめた公開当時は大問題になった映画10作品を見てみましょう。モノによっては閲覧注意でどうぞ。

『フリークス』(1932年)

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かつて身体に何かしらの障害を持った人たちが、フリークスとしてサーカスや見世物小屋で働いていた時代がありました。『魔神ドラキュラ』を撮ったトッド・ブラウニング監督は、サーカス団にいた経験から仲の良かった彼ら奇形芸人達を映画に起用。

内容は芸人たちに共感を促す作りにし、問題になりそうな箇所を多くカットしたにも関わらず……観客には間違った捉え方と悪い印象を与えてしまい論争を起こす問題作となってしまいました。

後世では唯一無二の作品となり、ラモーンズの楽曲『Gabba gabba hey!』は本作からインスパイアーされて作られたりと、カルトな人気を誇ります。

『時計仕掛けのオレンジ』(1975年)

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アメリカではX指定となった、スタンリー・キューブリックのディストピア映画。イギリスで起こった殺人事件は、犯人が本作に影響されたとして社会問題に。さらにはキューブリックの元には数々の脅迫状が届き、後に監督からの要請でイギリスでの公開が中止になりました。

アメリカでは大ヒットし、第44回アカデミー賞作品賞やその他の賞にノミネートや受賞を果たしています。非公式ですがアクション・フィギュアも作られるほどの名作です。

『鮮血の美学』(1972年)

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ウェス・クレイヴン監督のデビュー作で、1960年の映画『処女の泉』に影響を受けた復讐モノ。イギリスでは上映禁止となったものの、10年以上経ってから編集されてリリースされたそうです。

本作では十代の主人公マリーがマリワナを買おうとギャングたちに付いて行ったものの、彼らは実は凶悪な脱獄犯のグループで強姦・惨殺されてしまいます。ですが真相を知ったマリーの両親が、彼らに行なった復讐もまた残酷だったのです。母親は悪漢のひとりの男性器を食いちぎり、父親はチェーンソーで娘を犯した男にとどめを刺すのです。

近年のホラー映画と比較するとソフト過ぎるほどの描写なのですが、当時は倫理的にもアウトだったのでしょうね。

『ピンク・フラミンゴ』(1972年)

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世界一下品なのは誰か」を競い合う内容の本作に登場した、巨漢のドラァグ・クイーンことディヴァイン。元は男性なのに女装してレズビアンな行為に及んだこともあると言い放ち、実際に犬の糞を食べる場面もあり、検閲を悩ませました。

変態揃いでお下劣なのに、笑えて芸術的な面もあるこの映画は、間違いなくカルト中のカルトと言えましょう。

『悪魔のいけにえ』(1974年)

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スラッシュ/ハック系ホラーのカルト映画と言えばこれかと思われます。題名からして検閲が眉をひそめるというに、実在した猟奇殺人犯エド・ゲインがモデルだと考えられていたほど常軌を逸するレーザーフェイスと、チェーンソーを持って美少女を追いかけ回す異常性(オマケに家族も猟奇的)から、いくつかの国では公開禁止になりました。

作品の根底が「」をテーマとしているため、ギレルモ・デル・トロ監督も鑑賞後4年間は肉類を一切口にすることができなかったというおぞましい1本。本作がお好きなファンは、制作秘話貴重かつ不思議なNG集も併せてどうぞ。

『悪魔のえじき』(1978年)

Movieclips Trailer Vaultの動画でした。

こちらも強姦魔たちに復讐を果たす美女のお話。都会っ子で作家のジェニー(演:喜劇王バスター・キートンの孫娘カミール・キートン)が静かに執筆しようと田舎にやってきたところ、地元の不良たちに輪姦されてしまいます。絶望の淵から立ち上がった彼女は復讐の鬼となり、犯人をひとりずつ始末していくのです。

そのうちひとりの男性器を斬り落とすのが、検閲的にアウトだったのでしょうね。Wikipediaによりますと、劇場公開時の邦題は『発情アニマル』だったという辺りに時代を感じます。

2010年にはリメイク版が作られ、続編が『3』まであります。

『ライフ・オブ・ブライアン』(1979年)

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モンティ・パイソンによるスケッチ映画で、イエス・キリストと同じ日に隣家で生まれたブライアンを主役にしています。そのためキリスト教や聖書を扱った内容となっています。theguardianによりますと、N.Y.のカトリック大司教区や3つのユダヤ教協会、米国ラビ同盟にシリア協議会などの宗教団体が本作を禁止にしました。

カトリック大司教区は本作を神への冒涜だと批判し、ユダヤ教の団体も内容が酷い侮辱だと言っており、非公開(しかも何年間も)にした劇場が多くありました。

ですが、頭の柔らかいコメディー・ファンたちは遠くからわざわざ公開されている劇場に足を運んでいたようで、大ヒット作となりました。

『食人族』(1980年)

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ホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』以前に作られた、ファウンド・フッテージ型フィクション。アマゾンのジャングルに住む食人族を取材していた一行が、本当に襲われてしまうかのように見せるこの映画……ですが劇中に殺された動物はリアルでも、人間は死んでいないのです。

動物が実際に殺されるシーンももちろん問題ですが、強姦&断首からの人肉食など、当時は倫理的にアウトであっただろう描写が飛び出します。

『マニアック』(1980年)

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『ゴッドファーザー』でデビューしたジョー・スピネル主演。母への歪んだ愛情を持ちマネキン性愛者の連続殺人鬼フランクが、殺した女性の頭皮を剥いでマネキンに被らせる猟奇的なスプラッター映画です。

イギリスでは何年間も上映禁止となった本作は、2012年にイライジャ・ウッドが主演でリメイクしています(こちらはニュージーランドで上映禁止に)。

『ロアーズ』(1981年)

Drafthouse Filmsの動画でした。

ノエル・マーシャルが脚本・監督・出演をこなし、ヒッチコック映画『鳥』で主演した妻ティッピ・ヘドレンも共演、そして彼らの娘メラニー・グリフィスも出演している動物愛護映画の『ロアーズ』。

ライオンたちには怪我ひとつありませんが、出演者やスタッフら70名は重軽傷を負ったという、史上最も危険な撮影を敢行したのが本作でした。

2015年に再リリースされていますが、この予告編では各俳優たちが負った怪我が紹介されているのが本作ならではです。母は脚を骨折、父は壊疽と無数の引っ掻き&噛み傷、娘なんて顔面再構築手術を要したというから皆さんお気の毒としか言えません。

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いまだに上映禁止扱いになっている作品もあれば、今になって劇場公開やブルーレイでリリースされたり、はたまたハリウッドでリメイクされている映画もあったりで、後世の扱いはさまざまです。

絶対に観ておきたい80年代の傑作ホラー映画10選

image: YouTube
source: YouTube(12345678910), Wikipedia(12), theguardian

Cheryl Eddy - Gizmodo io9[原文
岡本玄介

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