グラフェンスピーカーを使った新しい「良い音」のつくり方
Credit: University of Exeter

グラフェンスピーカーを使った新しい「良い音」のつくり方

必要なのは、グッドバイブレーションよりものちから。

スピーカーは従来、振動板が空気を押し出すことで音波を作るようデザインされています。イギリスのエクセター大学の研究者たちによると、100年以上にわたって使用されてきたこの技術も、グラフェンを用いて改良することができるそうです。

スピーカーの振動板や空気を動かすには、かなりのエネルギーが必要です。ヘッドフォンケーブルからの音声信号でのみ電源供給された極小のスピーカーの音質に難があるのは、そのためだと言われています。薄い振動板は破れることもあり、多くの従来型スピーカーは繊細な技術のうえに成り立っていました。

先日発表されたエクセター大学の研究によると、これを代替できるのが、グラフェンでカバーした小さなチップ。グラフェンとは、炭素原子の結合で形成された蜂の巣状の極薄で頑丈なシートです。チップは親指の爪ほどのサイズで、可動部分はありません。

グラフェンは急速に加熱・冷却されて、周囲の空気を膨張・収縮させて音波を形成します。適切に交流を制御することで、周波数を混在させたり、特定の音を増幅・均一化させることもできるため、この技術によってアンプ、イコライザー、タワー型スピーカーなど多くの家庭用ステレオがひとつのデバイスにリプレイスされる日だってそう遠くないかもしれません。

さらに、極薄で目に見えないグラフェンのレイヤーを液晶パネルの上部に加えれば、画像と音声の両方を同時に生成するスマホのディスプレイを誕生させたり、グラフェンの柔軟性が皮膚に接する面積を広げ、信号強度を最大化することから超音波を使った医療デバイスを改良したりすることも期待できるといいます。

もっと身近なところでは、今回の技術でイヤホンだって、これまでになく良音になるかもしれません。もともと音質にはこだわっているという人もそうでない人も、各産業でグラフェンを活用した新たなテクノロジーに要注目です。

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image: University of Exeter
source: University of Exeter via New Atlas

Andrew Liszewski - Gizmodo US [原文
(Rina Fukazu)

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