10.5インチ iPad Proレビュー:完ぺきすぎる製品が毎年アップデートされるのは、本当に贅沢な悩み
Image: Alex Cranz/Gizmodo US

10.5インチ iPad Proレビュー:完ぺきすぎる製品が毎年アップデートされるのは、本当に贅沢な悩み

Apple(アップル)には「iPadの完成度が高すぎる」という贅沢な悩みがあります。だってバッテリーはなかなか減らないし、画面はきれいだし、アプリも良いのがたくさんあるし、1回買えば何年も買い替え不要と、ユーザーにとっては本当にありがたくて、しかもアップデートされるごとにその完成度は高まっています。

ただそのことは、Appleにとっても、似たようなタブレットを作っている競合他社にとっても、悲惨です。Appleは、我々がスマートフォンと同じように毎年タブレットを買い替えることを切望しているはずですが、その願いが受け入れられていないことはIDCの調査でも明らかになっています。

だからAppleは毎年iPadに素敵な新機能を搭載しては、我々を使い慣れたiPadからひきはがそうとしています。今年のWWDCでもそうでした。でも(Appleにとっては)残念ながら、イラストレーターでもない限り魅力的な進化があるわけでもないそうです。

2015年、Appleは12.9インチのiPad Proを発表し、そこにはマグネットでキーボードをくっつけられるスマートコネクタを搭載するなど、アップグレード熱を作り出そうと試みました。2016年には9.7インチのiPad Proが登場し、そこにもスマートコネクタが搭載されていました。米GizmodoのAlex Cranz記者は、それにほだされて9.7インチiPad Proを購入し、毎朝メールやRSSをチェックしたり、通勤中にマンガや映画を見たりしています。

今回そのCranz記者が、今年のWWDCにて発表された10.5インチのiPad Proをレビューしているので、9.7インチとの比較も含めてどんな感じか、以下ご覧ください。

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10.5インチiPad Pro、9.7インチと比べてレビュー2
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9.7インチと10.5インチ、サイズはそんなに変わらない

今月のWWDCで発表された新しいiPad Proは、9.7インチのiPad Proに続く存在で、同じ作業ができ、さらにディスプレイは斜めに0.8インチ(約2cm)大きくなっています。とはいえそれは縦横に直すと、横に4.6mm、縦に10.6mmの違いです。でもサイズが大きくなったことで、キーボード(Smart Keyboard)もその分大きくなりました。もちろん一般的なキーボードのサイズには及びませんが、9.7インチでのタイピングに慣れてからだとゆったりと感じられます。

10.5インチiPad Pro、9.7インチと比べてレビュー3
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若干ながらゆとりのできたキーボード

新しいiPad Proはサイズが大きくなっただけじゃなく、中身もアップグレードされています。先日のWWDCでは、A10Xや12コアGPUの高速さが強調されていて、一瞬すごいなと思ったんですが、考えてみればiPadでアプリが重いと感じることなんてほとんどないんです。たいていのアプリはどのiPadでも問題なく使えるように作られていて、「最新iPad Proの高速ハードウェアを最大限活かす」ことは考慮されてないんです。それに、もしそういうことを考えたアプリができたとしても、すぐにそれに気付くことはなさそうです。

それより、新iPad Proの最大にして唯一はっきりわかる(サイズ以外の)特徴は、ディスプレイです。リフレッシュレートが120Hz、つまり画面が1秒間に120回更新されるんです。といってもiOSのゲームはみんな毎秒30フレームとか60フレームを上限にしているので、そこでは役に立ちません。またアプリから何か(動画)をストリームする場合も、ほとんどのアプリが毎秒30とか60フレームでストリームしているので、120Hzの意味がありません。120Hzの恩恵を受けるのは、多分絵を描くときだけです。

ここ数年でiPadやSurfaceがアートの仕事に使えるようになってきたとはいえ、タブレットではまだ、リアルの紙に鉛筆で描くときのような素早い反応はありません。タブレットでは手に伝わる感触も紙とは当然違うし、線の1本1本がつねに微妙に遅れて描かれます。それを考えると、他のタブレットの2倍の速さでリフレッシュすることにはかなり価値があります。実際使ってみると、たしかに9.7インチのiPad Proよりだいぶ反応が速いです。

10.5インチiPad Pro、9.7インチと比べてレビュー4
Image: Alex Cranz/Gizmodo US

私がApple Pencilで塗り絵アプリ以外のものを使うなら、このアップグレードはマストだと感じられるでしょう。でも私はアーティストじゃないし、アーティストではない他の多くの人も、このiPad ProのためにわざわざApple Storeに行くのは無意味だと感じるでしょう。

完ぺきすぎる製品を抱えていることは、本当に贅沢な悩みです。Appleは最良のタブレットを作り出し、さらに数年間のアップデートで年々完成度を高めてきました。去年はタイピングが、今年は線の描き心地が改善されたので、ひょっとしたら来年あたりは普通の人が欲しくなるようなアップグレードがあるかもしれません。

でも現段階では、イラストレーターでもない限り、またはiPadを持ってない人じゃない限り、10.5インチiPad Proを買う必要はありません。もちろんiPad Proは素晴らしい製品ですが、多くの人にとってもうわざわざ買う必要はないのです。

まとめ

・相変わらず素晴らしいバッテリーライフとパフォーマンス。
・9.7インチのiPadより微妙に大きく、画面は斜めに2cmほど大きく(横に4.6mm、縦に10.6mm大きく)。
・リフレッシュレートが120Hzになったのは、絵を描くためには素晴らしいです。アーティストなら検討の価値があるかも。
・キーボードも若干大きくなりますが、まだフルサイズではありません。

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ああ、iPad miniはこのまま消え行くサダメなのだろうか…?

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Source: Apple, IDC

Alex Cranz - Gizmodo US[原文
(福田ミホ)

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