【閲覧注意】目にカメラを埋めて「アイボーグ」になった映画作家、次なる夢は電脳化
Image: The EyeBorg Project

【閲覧注意】目にカメラを埋めて「アイボーグ」になった映画作家、次なる夢は電脳化

Google Glassよりもっと前にウェアラブルカメラを開発したパイオニアがいました。

彼の名はロブ・スペンス(Rob Spence)。カナダのトロント在住の映画作家で、自称「サイボーグ」ならぬ「アイボーグ(EyeBorg)」です。

New York Postによれば、彼は9歳のとき自ら誤射したショットガンにより片目を失明しました。そして35歳のとき、見えなくなった自分の目玉を取り出して、かわりに極小カメラを眼窩におさめたのです。

3 かつて目があったところにはカメラがある。「アイボーグ」になったカナダの映画作家の夢は「電脳化」
Image: The EyeBorg Project
眼窩におさまる極小ビデオカメラ「EyeCam」

このカメラ、彼の脳とつながっているわけではないので直接「見る」ことはできないのですが、彼の視点をそのまま録画し、その映像をスマホのスクリーンに映せるそうです。MITのエンジニアや義眼技工士の協力を得て2009年に開発されたプロトタイプは、アメリカのTIMEに「2009年のもっとも優れた発明のひとつ」として絶賛されたました。Google Glassが登場する4年も前のことですね。

2 かつて目があったところにはカメラがある。「アイボーグ」になったカナダの映画作家の夢は「電脳化」
Image: The EyeBorg Project
「EyeCam」の3Dモデル

もっぱらの課題は熱処理だそうで、目のなかに入れるとカメラが体温に暖められるせいで無線の周波数がわずかに上昇してしまうため、現在は1~3分ぐらいしか連続して録画ができないとのこと。

1 かつて目があったところにはカメラがある。「アイボーグ」になったカナダの映画作家の夢は「電脳化」
Image: The EyeBorg Project

いずれは何時間でも撮り続けられるようにバージョンアップするそう。そうなると気になるのがスペンスさんの「本業」である映画制作との兼ね合いです。カメラマンは通常はカメラ、マイク、リフレクターなど大量の機材を使いこなしますよね。でも目の中のカメラのみで撮影をすれば、撮る人と撮られる人の距離がグッと近くなり、より自然な撮影が行なえるかもしれません。スペンスさんは「EyeCam」を使ってドッキリみたいな撮影方法も検討しているそう。もちろん撮影後に許可をもらいますが、これは悪いほうに転べば盗撮行為になりかねないです。

Google Glassが超えられなかった倫理上の問題がここにあります。New York Postの記事によると、スペンスさんの「EyeCam」を実際見た人のほとんどは当初「かっこいいね! 」とリアクションするものの、少し考えた後には「でも、すごく不気味だね」と言うそうです。ただ視線を向けられているのか、撮られているのかが周囲にもハッキリとわからないと、盗撮疑惑から逃れられません。むしろ、カメラっぽさをあえて前面に出して、SnapchatのSpectaclesみたいに録画中だということをハデな光の演出などでまわりにハッキリ教えてくれればいいのかも。

スペンスさんはすでに自分の義眼で、義手や義足を持つ人々を撮り下ろして、短編ドキュメンタリーを制作しています。スクウェア・エニックスに頼まれて、近未来アクションRPG『Deus Ex(デウスエクス)』にちなんで作った作品が、こちら。(手術シーンが含まれます)

Video: Deus Ex/YouTube

義眼、義手、義足。技術の向上により、いま世界中でスペンスさんのように体の一部の機能を機械で補う人々が活躍の場を広げています。そのうち対象となる器官は脳にまで及び、イーロン・マスク氏が提唱するニューラルレース(直訳:脳内レース)や『攻殻機動隊』に出てくる電脳化も技術的に可能になってくるのでしょうか。

Inverseがスペンスさんに聞いてみたところ、もし近い未来に「ニューラルレース」のようなものが実現可能となったら、スペンスさんは迷わず電脳化することを選ぶと言っています。今、テクノロジーは人間の体に向けられてきている、とも。義眼から始まったスペンスさんのサイボーグ化は、今後どこまでいくんでしょうか。

Image: The EyeBorg Project
Source: The EyeBorg Project, New York Post, Inverse, YouTube, Time Magazine, Deus Ex, Wikipedia

(山田ちとら)

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