さすがのSpaceX、安定していますね。
再利用ロケットを開発し、宇宙事業低コスト化と、打ち上げのペースアップを着実に前進させているSpaceX(スペースX)。今週末、同社は"ほぼ"48時間以内に2本のロケットの打ち上げと着陸に成功しました。
1本目は、金曜日の午後12:10(PDT)に打ち上げられたSpaceXの「ファルコン9」ロケット。ブルガリアの通信衛星を軌道に乗せ、ロケット1弾目は海上の無人船への着陸にも成功しました。SpaceXでCEOを務めるイーロン・マスク氏は「ロケットは非常に高温状態で、強めの衝撃で降り立った(緊急用のクラッシュコアをほぼ使い尽くしてしまったが)。ただ、成功だ」とツイートしています。
このようなロケットの打ち上げと再利用はお手の物のように見えるSpaceXですが、まだその成功が確実なものと言い切れるわけではありません。2本目の日曜日午後1:25(PDT)の打ち上げでは、新品のロケットと新開発の「グッリド・フィン」を採用しました。マスク氏いわく「より大型でアップグレードされた、チタンを鋳造しカッティングした極超音速グリッド・フィンを利用する。これにより、再突入の熱にもシールド無しで耐えられるはずだ」とのこと。
結果この新しいグリッド・フィンは上手く動作し、2本目のロケットの1段目も無事に着陸することができました。マスク氏もこの結果に満足したようで、「チタン製のグリッド・ファンは予想より上手く動作したね。これなら数回の打ち上げでもメンテナンスは必要ないだろう」とツイートしています。
なお、日曜日の打ち上げでロケットに搭載されていたIridium(イリジウム)の人工衛星も無事に軌道へ投入されました。同じように見えるロケットの地球への帰還と着陸も、毎回技術は進歩しているんですね。
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Image: BulgariaSat-1 Mission/SpaceX/Flickr
Source: NASASpaceFlight.com, SpaceX, Twitter(1, 2), YouTube
Rhett Jones - Gizmodo US[原文]
(塚本直樹)