SF映画のような製品です。
窓のメーカーでおなじみのYKK APは本日、ディスプレイとして機能する窓「Window with Intelligence」のプロトタイプを発表しました。透明有機ELディスプレイを埋め込むことで、窓としての機能はそのままに、さまざまな機能をタッチで操作できるディスプレイ窓となっております。
今回はYKKのショールームで実際のプロトタイプを見てきましたよ。

右:ホーム画面(設定)を開いた状態
まず、ディスプレイの見やすさやタッチパネルの操作感など、基本となる部分の完成度はとても高い印象でした。
独自のインターフェースにもこだわりが感じられ、窓の透明感を活かしたシンプルで未来的なデザインとなっております。「Window with Intelligence」という名称ですが、ソフトウェアはAndroid OSを搭載。体験中、Windowsが入っていたらなぁという妄想がかなり膨らんでしまったのですが、いつか実現してくれるはず(?)。
前述のとおり、仕組みとしては有機ELディスプレイを使っているのですが、有機ELのなかでもさらにハイテクな「透明有機ELディスプレイ」を採用し、2枚のガラスで挟んでディスプレイ窓を実現しています。また窓のフレームは樹脂製なので黒い光沢があり、“窓”というより“電子機器”といった印象です。
数種類の専用アプリとAndroidアプリが動く!
さてこの窓を使ってできることですが、現時点では天気や部屋の空気環境など、暮らしにまつわる専用アプリ(機能)が用意されていました。


たとえば、こちらは天気を確認できる「Weather」。もちろん現在の天気は空を見ればわかるわけですが、そのときの気温やその後の天気を確認することができます。また2枚目の画像のように、風や花粉の状況も教えてくれますよ。

こちらは部屋の空気環境を測定できる「Air Conditioning」。Window with Intelligenceには各種センサー類が搭載されており、部屋の空気がキレイなのか汚れているのか測定してくれます。空気がキレイな順に青・緑・オレンジ・赤の4段階でお知らせしてくれます。
しかも窓だけあって、部屋や汚れていると自動で窓を開けてくれます。勝手に開けられると困る場合も多いですけど、なかなか部屋の汚れってその部屋に居ると気づきにくいですからね。


さらに窓からビデオ通話ができる「Video Chat」も。自分の家の窓と遠くの家の窓と繋がれるのは、まさしく「未来の窓」ですね。

搭載されているのはAndroid OSなので、もちろんいつものAndroidアプリで遊ぶこともできます。

しかも、スマートフォンのミラーリングにも対応してるので、iPhoneの画面を映すことができるのです。
それでは機能紹介の最後に、実際に操作する様子をご覧ください。
発売は3年後
今回見ることができたWindow with Intelligenceは、あくまでもプロトタイプ。実際の製品は3年後に販売予定とのことでここから進化する箇所も多いでしょう。そのため価格も未定ですが、ガラスやディスプレイを1ユニットとして100万円を切る価格で販売したいとのこと。なお、すでに使っている窓にディスプレイのみ取り付けるオプションなどは発表されておりません。

また今後は、スマートスピーカーとWindow with Intelligenceを結びつけ、さまざまな家電を操作できるようにする構想もあるそう。窓はどんな家にもありますし、ディスプレイとしてのポテンシャルも高いですし、IoT化・スマート化させていくのは理にかなっている気がします。なにより、「窓を通して人・情報と繋がる」っていうコンセプトが僕は好きです。
Window with Intelligenceは、7月1日から東京の「YKK AP ショールーム新宿」で体験することができますよ。そろそろマイホームを建てたい!という方のみならず、デジタル製品が好きな方もぜひどうぞ。
Photo: ギズモード・ジャパン
Source: YKK AP株式会社
(山本勇磨)