タスクに応じてデザインを変えられる、針金+モーターの単純構造ロボ
Image: Sebastian Risi / YouTube

タスクに応じてデザインを変えられる、針金+モーターの単純構造ロボ

うにょうにょしてるけど、人間の手が届かない場所で大活躍。

人のすることすべてを再現できるロボットを開発するとなると、恐ろしく複雑になり開発費もかさみます。しかし、人間ができないことのみをするというその逆を行くアプローチで、シンプルな構造のロボットとそれを作り出すシステムが開発されました。

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Image: Sebastian Risi / YouTube

1Dプリンター」と呼ばれる機器を用いて、特定のタスクのために針金がベースのシンプルなロボットをその都度デザインして作り出す。これを開発したのは、コペンハーゲンのIT大学Robotics, Evolution and Art Labのセバスチャン・リージ准教授率いる研究チームで、IEEE Robotics and Automation Lettersジャーナルに論文を発表しています。

以下、リージ准教授がYouTubeに公開した、1Dプリンターの説明動画です。

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IT大学のプレスリリースによれば、1次元的な素材である針金を複雑な3次元的な構造へと曲げていく方法は、あらゆる生物の細胞内に存在する構造であるリボゾームにインスパイアされたとのこと。この針金ロボットを作り出すにあたり、1Dプリンターは工業用のワイヤー曲げ機械のように、細い針金を数カ所曲げて手足やツールとして使える形にします。プリンター内で針金には自動的に電気モーターがつくので、ロボットはプリンターから出てきたらすぐに動ける状態です。

上記のとおりの単純な構造とパーツからして、1Dプリンターが作る針金ロボットにできることは限られています。頼めばアイスティーを持ってきてくれるなんて芸当はできません。でも科学者たちは、人間がアクセスできない場所の探検には役に立つと考えています。一例を挙げると、単純な針金ロボットが針金部分を手足のように使ってパイプを降りていく、あるいは人間では到達しにくい場所の動画を中継するためにワイヤレスカメラや、人が進むのは安全かどうかについての詳細を提供するためにセンサー群を装着することもできます。

この1Dプリンター技術が素晴らしいのは、プリンターから出てくるロボットを人間が設計しなくてもよいという点です。研究チームは具体的な要件や制約をインプットすれば、与えられたタスクのために自律的にロボットを設計するアルゴリズムも開発しました。

このアルゴリズムは作り出したロボットが失敗に終わったときの設計ミスからも学習できるので、リクエストされたタスクが達成できるまで、何度も何度も新たに改良したモデルを設計します。無駄で時間がかかるように聞こえますが、プリンターがロボットを出すまでにかかる時間は13分と短く、針金部分をまっすぐに正せばロボット自体は簡単にリサイクルできるようになっているのです。

リージ准教授は、このシステムが宇宙探査などに役立ちそうだと考えています。というのも、探査機に15種類ものロボットを載せることはできませんから、タスクに応じてロボットを作り出すかつそれを再利用できるというほうが重宝されると考えているからです。さらに災害現場でも、不安定なガレキの上を歩けるだけでなく、ほんの数インチの穴を押し分けて進めるようなロボットは必要とされるかもしれません。

Image: Sebastian Risi / Youtube

Reference: IEEE Xplore, REAL, New Scientist, IT University of Copenhagen

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文

(たもり)

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