カブと同じく、日本になくてはならない名車です。
原付一種のバイクが売れていないそうです。安いし免許はとりやすいし、近所を移動するためのアシとして90年代前半までは人気のプロダクツではありましたが、96年を境に国内需要は下落の一途。バイクも放置違反金を取られるようになったことがトドメを指したという説がありますが、頑張れば持ち運べる折りたたみ電動バイクが日本のクラウドファンディングで1億円以上も調達したことを考えると、さもありなん。
しかし、既存のメーカーは頑張っています。現代事情に合わせたモデルを届けようと頑張っています。小さくして小荷物で預けられるとかそっちの方面ではありませんが。

ホンダはピザ屋バイクことジャイロシリーズを、欧州の排ガス規制EURO4とほぼ同じ内容となる平成28年排出ガス規制対応に対応させました。
【改正概要】
①現在、WMTCモード法が適用されている二輪車(総排気量が0.050リットル以下で最高速度が50km/h以下のガソリンを燃料とする原動機付自転車を除く。)について、規制値を以下のとおり強化します。
原付一種は対象外であるはずなのに、環境対策バージョンにアップデートする姿勢。美しい。
初代モデルが生まれたのは1982年。泥道雪道でもどんとこいなアウトドアユースを意識したモデルで、当時は2ストロークエンジンを搭載していました。90年代はぼくも、ジャイロXで河川敷ツーリングに出かけていましたが、ヤマハのTW200と同じくらい楽しいバイクでしたね。
排ガス規制の強化にともなって2008年に水冷4ストロークエンジン搭載機が登場しましたが、外観は変わらず。そして今回のマイナーアップデート版も基本構造はそのままの様子。
35年間、変わらずにきた名車なんですよね。お値段は17万9000円(ジャイロX 1982年モデル)から36万8000円(ジャイロX ベーシック)へとかなり変わってしまいましたが、排ガス規制対策費用にコストがかかっているということでもあるので、まあ仕方ない。

とはいえ、いつまでも原付一種枠が古い排出ガス規制のままでイケるということはないでしょう。EURO5と足並みを揃えそうな2020年の排ガス規制ではどうなることやら。もしかしたら50ccバイクも、エンジンではなく電気モーターを使わざるをえない時代となってしまうのかな。50ccエンジンのトコトコ感をほんわかと楽しめるのは、今だけなのかも。
Image: 本田技研工業
Source: 本田技研工業
(武者良太)