一度死にかけた街を救うのはAmazon!
米国シアトルに本社を持つAmazonが巨大フルフィルメント・センターをオハイオ州ノースランダルに建設を予定しているそうです。ここはかつてアメリカで1番大きいショッピングモールがあったのですが、オンラインショッピングの影響で閉鎖。以降この小さなコミュニティは経済的に大打撃を受けていました。モールがあった場所にそのまま巨大倉庫を建設する予定とのこと。
ノースランダルの人々はAmazonの建設に大変喜んでいるそうです。それもそのはず、このフルフィルメント・センターでは2000件もの雇用が生まれるそうで、Amazonが出したプレスリリースによると、しっかり福利厚生もあり、Amazon Roboticsの導入されたハイテクな職場環境になるとのこと。かつてあったランダル・パーク・モールは1番多い雇用があった場所なので、それに変わってAmazonがやってくることは大きな変化になると街のみなさんは大喜び。
「言葉では言い表せないくらいです。Amazonがこのノースランダルの街にフルフィルメントセンターを作ってくれるなんて。この街のコミュニティの発展だけでなく、2,000人もの雇用があるんですから。」David Smith市長は語っています。

新フルフィルメント・センターは、モールの面積と同じ約7万9千平方メートル。従業員はここで電化製品、おもちゃ、書籍などの仕分けや箱詰め、配送をすることになります。面白いことは、かつてこの街のモール従業員たちが店頭で販売していたものを、今度はAmazonのロゴの入ったボックスに箱詰めして配送ということになります。販売の形が変わって来たことがよくわかりますね。モールは2009年、30年以上続いた歴史にピリオドが打たれ、2014年から取り壊し作業が始まっていました。
実はこのランダル・パーク・モール、閉鎖されてから「廃墟となったモール」好きの間では知られた存在で、彼らの間では人気の写真スポットとなっていました。フォトグラファーのSeph Lawlessさんは、モールが取り壊される数ヶ月前にモールへ行き、かつて明るく賑わっていた悲しい雰囲気を残しつつ今は影を落とし廃墟となったモール内部の姿をたくさん撮影しています。このモールが街の人々にとってどれだけ重要なものであったかがわかるのが、街のシンボルマーク。なんとショッピングバッグが描かれているのです。街の中心がこのモールだったんですね。

そして、そのモールに変わって今度はAmazonがやってくるということです。新しいセンターは約180億円かけて建設されるとのこと。センターオープンの6〜10週間前には従業員募集の案内が公開されるそうです。市長は、Amazonができることで周りのレストランやお店なども活性化してくれることを願っているとのこと。モール自体は街に戻って来ませんが、雇用が戻って来て街の人がハッピーならば良しとしましょう!
Image: Seph Lawless, Port of Cleveland
Reference: Cleveland Plain Dealer, Seph Lawless
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(岩田リョウコ)