新たにオフラインモードを追加。DJIが自社ドローンのセキュリティ改善を発表したのは...

  • author Rina Fukazu
新たにオフラインモードを追加。DJIが自社ドローンのセキュリティ改善を発表したのは...
Image: Sean Gallup/Gettyimages

ある意味、お互い合理的な言動を取っているだけなのかもしれません。

ドローン大手メーカーのDJIが、同社の制御アプリに新機能「ローカルデータモード」を追加することを発表しました。もともと同社アプリは地図のアップデート制限飛行エリアの確認のほか、オプション機能として企業データベースに飛行記録を同期する際に、インターネット接続を必要としていました。新機能の導入によって、これらすべての作動をオフにすることが可能になるといいます。

2017年8月初旬には、セキュリティ脅威を理由に米陸軍が中国DJI製のドローンの使用を禁止しましたが、同社はこの出来事と新機能開発の関連を否定しています。

本当に無関係なのか?

DJI政務責任者のBrendan Schulman氏は「公的機関および民間企業を含め、DJIの技術を用いながら機密性の高い業務に携わる世界中の事業者のお客様の要望に応えるため、ローカルモードデータの創設に取り組んでいます」とTechCrunch経由プレスリリースで表明。

新機能追加の背景はおそらく米陸軍での利用規制があったから...と、推測したいところですが、TechCrunchによるとDJI社はあくまでローカルデータモードが数ヶ月前から開発段階にあり、米軍に促されたわけではないと主張していることが報じられています。

「米軍に対して反応したわけではない」と、TechCrunchの取材に答えたのはDJI北アメリカの広報責任者Adam Lisberg氏。米軍は同社に「懸念材料を一切説明していない」とし、「我々が今明かしたのは、このところ機密データを扱う事業者のお客様たちが同機能を明らかに必要としており、米軍の件によって関心が高まったため」だといいます。

おそらく運用上のセキュリティ保全を理由に、脆弱性について詳細を明かすのを拒んでいる米軍。これまでにDJI製の小型ドローンは限定的に配置されていて、ISIS過激派に対抗する際などゲリラ部隊によって使用されたようです。

ただ、ドローンの制御アプリのインターネット接続を無効にすることで、はたして軍が懸念する脆弱性の問題が解決できるのかどうかはいまだ曖昧なところ。アプリを介さないかたちで他ユーザーに情報が漏洩するリスクも考えられます。

一方で利用禁止の判断については、単に米軍がドローンがハッキングされる一切のリスクを嫌った可能性も想定できます。たしかに他国の民間メーカーによる商業ドローンを軍事目的で利用することを見直すのは決して不自然ではないこと。

対するDJI社にとっても米軍が顧客としてコアターゲットではないことから、今回のセキュリティ改善の発表について米軍に対応したわけではないと明確に示すのはある意味、理に適った言動だといえそうです。なにより軍事利用と商業利用ではセキュリティ要件が同一でないことを踏まえると、今回のオフラインモードの機能追加はあくまでDJI社の主張それ以上でもそれ以下でもないのかもしれません。

Image: Sean Gallup/Gettyimages

Source: TechCrunch

Tom McKay - Gizmodo US [原文

(Rina Fukazu)

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