今の状況ざっと。
先日編集部に届きました、LINE製のスマートスピーカー「WAVE(ウェイブ)」。
海外ではすでにポピュラーな家電として受け入れられているスマートスピーカーですが、実はこのWAVEが日本語に対応する初めてのスマートスピーカーになります。今回は、できることやハードウェアそのものについてなど、実際にハンズオンしてわかったWAVEの全貌をご覧ください。
スマートスピーカーって?
まずはスマートスピーカーについて軽くおさらい。スマートスピーカーとは、スピーカー本体に音声アシスタント(AIアシスタント)を搭載しているものを指し、音声コマンドから天気やスケジュールの確認、音楽再生などができるデバイス。日本ではWAVEが初ですが、海外ではすでにAmazonの「Echo」や、Googleの「Google Home」、Appleの「HomePod」など各社が開発しています。
今年6月に正式発表を迎えたWAVEは、この秋に正式版(1万5000円)が発売されます。そして今回購入したのは、正式版に先立って発売された先行体験版。先行版では限られた音声コマンドにしか反応しませんが、その中で使える機能をご紹介します。
WAVEができること
WAVEには、LINEと韓国・NAVERが開発した音声アシスタント「Clova(クローバ)」が搭載されています。そのまま「クローバ」と話かけてあげると音声アシスタントが起動し、その後に教えて欲しいことを聞きます。

以下は現在使うことができる音声コマンドの種類です。音楽再生とベーシックな機能に限られています。
「クローバ、なにか音楽をかけて」WAVEはLINE MUSICの音声コマンドに対応しており、ランダムに音楽を再生し続けてくれます。曲の途中で「クローバ、この曲なに?」「音量あげて」なんていうコマンドにも反応してくれます。WAVEにはLINE MUSIC 6カ月お試しチケットも同梱しています。
「クローバ、今日の天気を教えて」スマホのClovaアプリからWAVEの位置情報を設定しておくと、その場所の天気を教えてくれます。明日や明後日の天気を聞くことも可能です。
「クローバ、いま何時?」
「クローバ、明日7時にアラームを鳴らして」アラームの停止も音声コマンドから行なえます。
「クローバ、Bluetooth接続を開始」
音声認識の速度に関しては、日本語で動くスマートスピーカーがこれしかなく比較が難しいですが、印象は「遅くはないスピード感」です。スマホのGoogleアシスタントと比べると認識までに時間がかかりますが、製品版でユーザーが増えてくればデータも蓄積されて向上されていくことでしょう。
またWAVEは単なるBluetoothスピーカーとしても利用可能です。最後の音声コマンドにもあるように、「クローバ、Bluetooth接続を開始」と言うか、Clovaアプリから「ペアリングモードをオン」にすると、スマホのBluetooth設定で認識されるようになります。
大きさ・外観

円すい形の本体は、底の径が大きいため全体的にも大きい印象を受けます。ちょうど500mlのペットボトルと同じくらいの高さです。また重量は998gと、大きさ重さともにかなりずっしりとした作りとなっています。
本体の側面はスピーカーネットで覆われています。布なので手触りは良いですが、埃が目立ちます。
スピーカーは2.5インチの20Wウーファーと、1インチの5Wツイーターで構成されており、家庭用のBluetoothスピーカーとしても申し分ないサウンドを鳴らしてくれます。5,000mAhのバッテリーも内蔵しているので、好きな場所への移動もできます。ただしサイズ的に、外へ持ち運ぶスピーカーとして使うのは難しいでしょう。

また底面のフチにはLEDが搭載していて、状況に応じてカラーが変わります。たとえば「クローバ」と話かけると、緑に。そのほかにも白・赤・オレンジなどにも光り、単なるスピーカーにはないスマートさを醸し出してくれます。

トップには計6つのタッチボタンがあり、音楽の再生・停止と音量の+/-がここから行なえます。点が刻印された3つのボタンには、Clovaアプリからそれぞれにコマンドを設定できます。先行版では、1にClovaの起動が設定されていて、製品版では2と3にも自分の好きなコマンドを設定できるようです。
トップの細かい穴は、音量ボタンなどのインジケーターになっていますが、実はここにマイクが搭載されています。

本体の背中には、上からマイクミュートボタン、電源ボタン、ACコネクターが備えられています。「クローバ」という声に反応させたくないシーンでは、ミュートボタンを使います。

ミュートボタンのオン時は、マイクアイコンとトップが赤く点灯します。

底面はゴム素材で、WAVEの細いロゴが刻印されています。
正式版で使えるようになる機能
WAVEの正式版のリリースとともに、Clovaができる機能も一気に解放される予定です。この先行版もインターネットからアップデートすることで、製品版同等の機能が使えるようになります。
さて追加される機能で一番目玉なのは、やはりLINEとの連携でしょう。LINE製ゆえに実現できる機能ですからね。詳しくは語られていませんが、メッセージが来たら読み上げてくれたり、音声で返信できるようになるかもしれません。
ほかにもカレンダー機能やTo-Do管理機能、ニュースの読み上げ、天気などの通知、家電のON/OFF操作などが予定されています。


また「WAVE」以外にも、Clovaを搭載したLINEのスマートスピーカーの発売も予定されています。発表されているのは、LINEのキャラクターをあしらったカジュアルな「CHAMP」と、ディスプレイも搭載した「FACE」。CHAMPは今年冬の発売、FACEの発売日は未定です。
またLINEは、バーチャルホームロボット「Gatebox」を開発するウィンクルを買収していたり、スピーカーの域にとどまらず色んなデバイスを投入する見込みです。
今はスマートスピーカーが日本にもやってきたことに喜びを隠せませんが、このWAVEを皮切りに日本のスマートスピーカー競争が始まっていくことは確かでしょう。ほかの家電のように1家1台のレベルまで普及するのか、それともニッチなデバイスとしてあり続けるのか。また1つ、日本で新ジャンルのデバイスが生まれようとしているこのシーンに目が離せません。
WAVE(先行体験版)スペック一覧電源:12V/2.1A/サイズ(約):W86.25×H139.84×D201.05mm/重量:998g/2.5" 20W ウーファー(x1), 1“ 5W ツイーター(x2)/ノイズキャンセリングマイク(x4)/セット内容:本体、取扱説明書、専用アダプターとケーブル
Image: ギズモード・ジャパン, LINE
Source: LINE
(山本勇磨)