やっぱり技術を持ったメーカーが強いのですね。
先日浮上した、新型iPhoneこと「iPhone 8」が最低999ドル(約11万円)になるという噂。いやいや、それは高すぎでしょ…と嘆いていたわけですが、どうもその原因はSamsung製の有機ELディスプレイ(パネル)にあるそうです。
MacRumorsが紹介しているKGI証券アナリストのミンチー・クオ氏のレポートによれば、Appleの要求に見合う有機ELパネルを量産できるのはSamsungしかいないとのこと。そのためSamsungは有機ELパネルをかなりの高額で販売。具体的には1つあたり120〜130ドル(約1万3000〜1万4000円)でApple(アップル)に卸しているというのです。つまりこの価格からAppleがプラスするわけですね。これはiPhoneの「Plus」サイズの液晶パネルの卸値、45〜55ドル(約5,000〜6,000円)から相当な値上がりです。
もちろんSamsungはこれまでスマートフォン向けの有機ELディスプレイを実用化するために、膨大な投資と時間を費やしてきました。ですので、それを回収するために部品代を高額に設定するのは当然のことでしょう。ただしAppleからすれば、これは端末代金の上昇だけでなく、供給元を1社にすることで供給の不安定さにつながります。だからAppleはこれまで各種部品を複数社から調達してきたんですよね。
Appleはやはり複数社からの有機ELパネルの供給を目指すため、LGの有機LEパネル工場に出資しているとの報道がありました。また台湾ベースの工場や、ジャパン・ディスプレイとの曲面液晶ディスプレイに関する協議を行なっているとの情報もあります。
また、999ドルという超高額設定の理由は有機ELディスプレイだけではなく、赤外線による3D顔認証機能や無線充電機能の追加も原因となりそうです。かっこよくて高性能な新型iPhoneは欲しいけれど、あまり値上がりしても困る…。難しいところです。
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Image: Vasin Lee/Shutterstock.com
Source: MacRumors
(塚本直樹)