いま知りたい「AR」のすべて
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いま知りたい「AR」のすべて

えーあーるでぇあーる。

「VR! VR!」とはしゃいでいた時もありましたが、いまや完全に時代はAR。「スマートフォンの未来はARが担う!」と Apple(アップル)もGoogle(グーグル)も、ARテクノロジーを推しに推しています。とはいえ、ARって何なのさ? ゲーム以外に何ができるのさ? いま知りたいARのすべて、まとめましょう。


「AR」と「VR」と「MR」

AR(Augmented Reality)=拡張現実は、現実+デジタルグラフィック。デジタルレイヤーを1枚通して、現実を見る感じ。VR(Virtual Reality)=仮想現実は、完全デジタル。仮想のデジタル世界に入り込む。MR(Mixed Reality)=複合現実は、ARとVRのミックス。現実の一部として、デジタル世界が絡んできます。とくに、MicrosoftがMRという言葉を好んで使用中。

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Image: YouTube/Ingress

Microsoftには悪いけれども、最近ではARという言葉がMRという言葉を取り込みつつあります。AppleもGoogleも、ARで進行中。正直、一般人からしたら、現実+デジタル層だろうが、現実の一部に見せるグラフィックだろうが、その違いはどうでもいいところ。

細かいことを言えば、今スマートフォンにきているARの波は、MR系。ポケモンGOをもう少しリアルにしたイメージ。とは言え、AppleはARKit、GoogleはARCore。ネーミングはやはり、AR推しで。


「Project Tango」と「ARKit」と「ARCore」

モバイル端末を使ったARの、最初の猛プッシュと言えばGoogleのARプラットフォーム「Project Tango」でしょう。ただ、少々時期が早すぎたようで、必要なセンサーやコンピュータキットをモバイルに入れ込むために、端末そのものがでかく野暮ったくなってしまいました。海とも山とも判断つかぬ最新テクノロジーのために、スリムで軽い端末を諦めてくれというのは難しい話です。

高品質なARを体験しようとなれば、一瞬で周辺環境のデータを集めなくてはなりません。ユーザーの目の前にある景色、環境はこうだ、だからこういうデジタル表示をしようってのが一瞬でできてこそ、ARをストレスなく楽しめるというもの。それには、Project Tangoのように(端末が重くなるリスクをとって)超高級カメラモジュールを採用するのも1つの手でしょう。ただ、モバイル端末自体の性能が高く、大量のデータを一気に処理できるのであれば、高級カメラモジュールに頼る必要はありません。おかげで、今はスマートフォンのスタンダードカメラで、十分に高品質なARが楽しめるようになったのです。

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Image: Screenshot/Apple

ARの種をまいたのがGoogleだとしたら、花を咲かせようとしているのがApple。2017年のWWDCでARKitを発表し、テック業界から大きな注目と興味(やる気)を集めています。ARKitというフレームワークのおかげで、開発者はより簡単に3Dグラフィックと現実を融合させることができます。

ARKitをどう使うかは開発者のアイディアしだい。例えば、Appleは地図アプリにARを組み込み、まるでユーザーがゴジラになった気分で街を歩けるという機能を作りました。良ARの鍵は、3D環境と2D画像をカメラが上手く認識することにありますが、Appleはこれをソフトウェアでやっています。

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Image: Screenshot/Apple

ARKitが使えるのは、iPhone 6s以降+iOS 11。細かくいうと、A9 CPU以上ならOK。さらに、iPhone 8/ iPhone 8 Plus/ iPhone Xのカメラは、AR用に調整されているといいます。iPhone Xのフロントモジュールは、モノを3D認識することが可能。それ以外のiPhoneの2Dカメラが、どうAR調整されているのか細かいところはわかりませんが、良AR体験がプッシュされています。

カメラがモノを3Dで捉えれば、面白いことがいろいろできます。分かりやすいのが、Snapchatなどのフェイスフィルター。この機能自体はすでにおなじみですが、iPhone Xのデモでみせたフェイスフィルターは、今まで以上に顔にピッタリ。まるでマスクかペイントのように顔の動きに馴染んでいました。

さて、世の中というのはバランスが大切でして、AppleがやっててGoogleがやらないなんてことはないわけです。そこでProject Tangoを踏まえGoogleが出したのが「ARCore」というAndroid版のARKitです。ARCoreは現在ベータ版で、Google Pixel/ Pixel XL/ Samsung Galaxy S8のみに対応です。


ARで何ができる?

ARアプリは前からありました。が、今モバイル端末に来ているARの波は、もっとバーチャルとリアルが上手く融合して、効率的に使えるアプリ。デジタルのグラフィックが、ハリウッド映画さながらに現実とマッチするそんな世界。

ただ、どんなにリアルでも開発者が乗り越えなくてはいけない問題もあるわけで。新しいテクノロジーを駆使したAR体験、これをユーザーにやりたいと思ってもらわないと始まりません。Appleのイベントでは、ARゲームをデモしました。デモ自体は素晴らしいものでした。ただ、顔の目の前にスマホを掲げて部屋の中を歩き回りつつプレイするのと、まったりとソファに座ってプレイするのでは、どっちがやりたいと思うでしょうかっていう話。ポケモンGOは、ARを上手く使ったいい例ですね。

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Image: Screenshot/Apple

ゲームやIT業界だけではありません。家具量販店「IKEA」もARKitを使って、お部屋模様替えアプリを開発中です。実際に家具を購入前に、自分の部屋でARを使って仮置きしてみるというもの。この手のアプリは以前からありますが、新たな波によって、より正確で使いやすいものになるはず。

Appleの発表会では、他にもアプリを空にかざして星座を学ぶなんてのもありました。ARはアイディアしだい。Made With ARKitというウェブサイトを見ると、そんなアイディアARがたくさんまとめられています。

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Image: YouTube/Made With ARKit

最新のハードとソフトを使ったARは、これまでない以上にリアルです。だからこそ、使える幅も広がります。車を走らせてみたり、メニューの品をお皿の上に再現してみたり、などなどなど!

水をさすようですが、これらのアプリはまだデモ段階。ただ、デモを見ているだけで期待はどんどんあがります。携帯のカメラから、世界が拡張されているんですから。

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Image: YouTube/Trixi Studios

スマホのカメラで世界を見れば、そこには欲しい情報が。ゴルフでコースにでればピンまでの距離をARではかり、球場に行けば選手の情報をARで見て、ショッピングモールでは自分の位置をAR地図で確認し、裏庭でロケットまで飛ばせる、そんな世界。

AR(MR)ヘッドセットの存在は、携帯を顔にかざすよりも没入感のあるAR体験を、自然な形でもたらすでしょう。が、そういうヘッドセットが一般化するまでは、ARKitやARCoreが何百万人という人たちにARの可能性を見せるのでしょう。スマートフォンのカメラを介して見えるのは、現実ではなく、拡張された世界なのです。

Image: Google, Apple, Made With ARKit, YouTube(1, 2, 3

David Nield - Gizmodo Field Guide[原文
(そうこ)

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