ASUS「Zenfone AR」レビュー:望みうる最高のスペックも、いまは宝の持ち腐れか

ASUS「Zenfone AR」レビュー:望みうる最高のスペックも、いまは宝の持ち腐れか

場が整うまでの辛抱かな…。

拡張現実、楽しんでますか? 今年はARがじわじわと盛り上がりを見せています。Apple(アップル)の「ARKit」、Google(グーグル)の「Tango」や「ARCore」などなど、今をときめくテック企業がこぞってARプラットフォームを用意している状況をみると、今後に期待せざるを得ません。

そんなこの世には、まさにARの申し子とも呼べるようなスマートフォンが存在しています。その名も「Zenfone AR」。

こちらはASUSより発売されたスマホで、ARに特化したカメラや、VRを楽しめる2K解像度(WQHD)のSuper AMOLEDディスプレイ、Snapdragon 821を搭載するなど、望む限りの高スペックを実現。そのため世界で初めて、GoogleのARプラットフォーム「Tango」とVRプラットフォーム「Daydream」に対応したスマホなんです。

今回ギズモード・ジャパンではZenfone ARを夏のお供に使ってみました。日本では今年の6月に発売されたこのスマホ、時代を先取りしすぎたかも…?

ARのある生活ってどうなの?

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Photo: ギズモード・ジャパン

Zenfone ARを使うとなれば、まず試してみたいのはAR機能です。なんせTangoに対応しているんですから!ということで、まずTango対応のアプリを探してみました。Google Play ストア、またはプリインストールされているTangoアプリ内から探せるんですが……あれ…少ない!

Tangoアプリ内でオススメされるものが15個ほど、またTangoアプリから誘導されるGoogle Play ストアのまとめページには30個ほど。そのうち、日本からだと利用できないものもあったりしてちょっと残念。上記のようにまとめられている以外のアプリも存在しますが、 Tango対応のものをいちいち探すとなるとお手軽感はありません。

とはいえ、面白そうなアプリもいくつかあったのでいろいろと試してみました。

まずはARで定番の家具をシミュレーションするアプリ。同じようなアプリはいくつかありましたが、今回は「iStaging」を選びました。さっそくいろんな場所に家具を配置。

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Photo: K.Yoshioka

まずは自宅の部屋で、天井からランプを吊るしてみました。

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Photo: K.Yoshioka

下から覗き込むこともできる!

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Photo: K.Yoshioka

お次は会社。自分の使ってるデスクの椅子を便器に。仕事の効率があがりそう。

名前にARとついているだけあって、地面や壁、天井の認識はさすがの正確さです。家具シミュレーション系のアプリを使うにはある程度のスペースが必要ですが、引越しの時の内見なんかに使ってみるとかなり実用的かも!

お次は恐竜を出現させるアプリ「Dinosaurs Among Us」。恐竜といえばジャングルに潜むイメージですが、夏休みの旅行先で山奥に行ったので、そこに出現させてみました。

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Photo: K.Yoshioka

いる…。

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Photo: K.Yoshioka

いる…!

ちゃんと外でも地面を認識できました! 目の前の風景が憧れのジュラシックパークに。

他にも色々なアプリを試して見ましたが、基本的に配置ゲーが多めな印象でした。面白いものもあるんですが、日常使いを考えるとそんなに配置することある?って思ったり…。

もっと天井をぶっ壊して敵がグアーっとやってくるとか、異次元につながるホールに入れちゃうとか、そういう心に残るコンテンツをやりたい!というのが正直な気持ち。もうちょっとARが普及するまで待つしかなさそうです。

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Photo: K.Yoshioka

ちなみにZenfone ARがどんな仕組みでARを実現させてるかというと、背面にモーショントラッキングカメラ、深度カメラが搭載されており、対応アプリを起動すれば空間を認識してくれるんですね。あとAR中は本体がお熱になります。夏だと手が少し汗ばんでしまいます…が、ちっちゃな体で頑張ってる証拠でしょう。

と、まだ物足りない部分もありますが、ARに特化しているだけあって、基本の性能は高めです。この性能をフルに使った正解コンテンツが欲しい!

スマホとしてはどうなの?

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Photo: K.Yoshioka

日常使いで困ることは全くなく、サクサク動きます。それもそのはず、AR特化型スマホだけに8GBのメモリをつんでいるのです。素晴らしい。ホームアプリにはASUS製の「ZenUI Launcher」がプリインスールされています。

試しに写真も撮ってみました。Zenfone ARに搭載されているカメラは2300万画素。1200万画素のiPhone 6sと比較するとこんな感じです。

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Photo: K.Yoshioka
Zenfone AR


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Photo: K.Yoshioka
iPhone 6s

Zenfone ARのほうが自然な色合いかも。ちなみにZenfone ARは5.7インチのSuper AMOLEDディスプレイを採用しているので写真の見ごたえも十分です。

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Photo: K.Yoshioka

あと付属品は見た目がカッコいいんですが、質はそこまで良くないのが残念でした。でも簡易 VRヘッドセット、イヤホン、本体カバー、ガラスフィルムと一通りのアクセサリーが揃っているので、買ってすぐに本格的に使うことができます。

ARが普及するその時まで…

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Photo: K.Yoshioka

日常的にARを活用する場面ってまだ少ないですよね。あるとしても主にゲーム用途。対応アプリも少ないですし、変わり種としてちょっと遊ぶ程度に終わってしまいます。2017年の夏を共に過ごしたZenfone ARは、基本性能が高いという点も踏まえると、いまは宝の持ち腐れです。

まずDaydreamが日本未対応のため、遊べないという点だけでもその価値が半減しているように感じます。それはTangoのポテンシャルを知ったからこそ。Zenfone ARの空間認識センサーがあれば、VRをつけて部屋をうろうろ動くこともできそうじゃないですか。ここがアメリカならなぁ…。

さらに持ち腐れを感じさせる原因は、Googleから新しいARプラットフォーム「ARCore」が発表されてしまったこと。Tangoは高性能の対応スマホが必要でしたが、ARCoreは普通のアンドロイドスマホでも使用できることを目指しています。GoogleとしてはARプラットフォームとして、TangoではなくARCoreを中心においていく方針です。

このARCoreのデモ動画を見てみましたが、現状のTangoコンテンツならARcoreで全然補えるんじゃない?と思えるくらいの完成度でした。VRの時もそうでしたが、やはり拡張現実もコンテンツが命です。しかし、ARCore対応のゲームをZenfone ARでプレイすればより精度がよくなるような気もするんですがどうなんでしょう…。

近い将来、Daydreamが日本にも上陸し、ARCore対応度MAXスマホとしてZenfone ARがパワーをフルで発揮してくれるのであれば、本当のお宝に変わる可能性を秘めているのではないでしょうか。

Zenfone ARのプレゼントの募集は終了しました。ご応募ありがとうございました。

(K.Yoshioka)