Apple Watchが使えないAndroidユーザーへ…バッテリー超長持ち「Fitbit Ionic」の現実
Image: Alex Cranz/Gizmodo

Apple Watchが使えないAndroidユーザーへ…バッテリー超長持ち「Fitbit Ionic」の現実

バッテリー長持ちだけで選ぶと泣く…?

スマートウォッチで最大の不満は、なぜ腕時計なのに、ほぼ毎日のように充電しなければならないのかという点にあるでしょう。多くのスマートウォッチは、フィットネストラッカーとしての役割も果たしているため、基本的には常に腕にはめていてこそ価値があります。睡眠中も、快適に眠れているかをトラッキングしてくれるため、やはり腕にはめたまま眠ることが少なくありません。でも、いつもどこかで充電のためにはずし、忘れてバッテリーが切れると、ただの腕巻きにしかならないんですよね。

いま世界で、もっとも注目されているスマートウォッチといえば、Apple Watchでしょう。ところが、ここ1カ月ほど使用していた「Fitbit Ionic」は、週に1度、1時間ほど充電するだけで、まったく問題なく使い続けることができ、スマートウォッチの未来を垣間見たような気がしています。やっぱり、これぞスマートウォッチの真髄ではないでしょうか!

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Fitbit Ionicは、Fitbitが発売した初のスマートウォッチというわけではありません。1年以上前に、Fitbitからは「Fitbit Blaze」というスマートウォッチが発売済みです。こちらもApple Watchとは比べものにならない、驚くべきバッテリーの持ちのよさがアピールポイントではありました。ただし、それ以外は評価できるポイントがほとんどなく、通知のカスタマイズはできない、天気予報さえチェックできないと、散々な出来栄えに終わってしまった感があります。

一方、300ドルで発売されたFitbit Ionicは、フル充電から6日くらいはもってしまうバッテリー寿命のすばらしさをそのままに、よりスマートウォッチらしく使えることを強調してリリースされました。すでにファーストインプレッションは、こちらで紹介しましたけど、実際に1カ月ほど使ってみた率直な感想をお届けしましょう。iPhoneユーザーでも、Androidユーザーでも、すぐに箱から出して使い始められるFitbit Ionicは、Apple Watchに代わる優れた選択肢となり得るのでしょうか?

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まずFitbit Ionicのデザインですけど、とにかく大きいです。Apple Watchよりも、かさばって重くなっています。だから、なかなか初めは好きになれませんでした。どんなにバンドを変えようとも、Fitbit Ionicが洒落たデザインとは、お世辞にも口に出せないでしょうね。Fitbit Ionicのデザインチームには女性陣も加わっていたというのに、なんだか残念です…。

ところが不思議なものでして、ほとんど充電する必要がないため、ほぼ1カ月ずっと腕にはめ続けていると、デザインに違和感を覚えないようになってきます。大きくて軽くないデザインなのに、いつのまにか重さにも慣れてきてしまいました。これだけバッテリーの持ちがよいのなら、多少のデザインの悪さも許してあげようかなと受け入れられるレベルの人には、なかなかの出来栄えだったりするのかな?

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とりわけ評価できるのは、フィットネス関連のアプリ。さすがはフィットネストラッカーのメーカーとして名をはせたFitbitだけあって、完成度はなかなかのものです。オリジナルの心拍計センサーから、豊富な情報のフィードバックがありますし、アプリのガイダンスのとおりに進めるエクササイズも気に入りました。これほど使いやすく、情報量にも富んだフィットネスアプリは、iPhone向けにもAndroidスマートフォン向けにも見当たらないのでは? 5気圧防水のため、シャワーを浴びる間も、はずさずに計測を続けてくれますしね。

もう1つ、Fitbit Ionicでよかったのは、NFCチップも標準搭載しているところ。例えば、クレジットカード情報を登録保存しておくと、Starbucksのアプリでバーコードを表示するだけで支払いを済ませ、スターバックスで飲食できてしまいます。あと音楽をFitbit Ionicに保存して、ダイレクトにスマートウォッチから再生できるアプリなんかもありました。あまり使いませんでしたけど。


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バッテリーの持ちは抜群で、フィットネストラッカーとしても優れもの。そんなFitbit Ionicではありますけど、残念ながら、これ以上を求めることはできないのが現状だと思い知らされた1カ月でもありました。電話の着信を知らせてくれるなど、いくつかの通知は使えますけど、すべてのアプリからの通知に対応しているわけではありません。おまけに、どんなに挑戦しても、アップデートをかけても、天気予報のアプリは、1度も正常に機能しませんでした。位置情報の設定を求める初期画面しか見たことがありませんでしたね。

Fitbit BlazeとFitbit Ionicの最大の違いは、前者がFitbitオリジナルの開発製品だったのに対して、後者はFitbitが買収したPebbleのスマートウォッチを継承した開発製品になっていることでしょう。Pebbleといえば、販売こそ振るわなかったものの、その信頼性の高いシステムが好評でした。ところが、Pebbleの流れを受け継いだはずのFitbit Ionicなのに、いまもソフトウェアはバグだらけ! 一部の対応アプリ以外は、あまり使いものにならないというのが実態なのです。こればかりは残念でなりませんし、なんだか腑に落ちません…。

Fitbit Ionicには、まだ今後のソフトウェアアップデートで、大きく進化して、より使えるスマートウォッチとなってくる可能性を否定できません。その完成度次第では、十分にApple Watchの有力な対抗馬になり得るでしょう。対応アプリが充実してくることも、可能性としてなきにしもあらずです。でも、現状のままでは、ものすごくバッテリーが持つ以外は、あまり評価できない残念な仕上がりでしかありませんでしたね。

Alex Cranz - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)