VRの会社になるの?
ここ最近は売上不振で、VR事業を売却か?からという噂も出ていたHTC。今度はなんと、同社の主力であるスマートフォン事業を売却するかもという情報が出てきました。
台湾メディアの工商時報が、HTCがスマホ事業をGoogle(グーグル)に売却することを交渉中であると報じています。売却でなく出資を受けるだけという選択肢もあるみたいですが、どうなるかは遅くとも2017年内に決着するとのことです。
HTCは2011年には米国のスマホ市場でトップの座に輝いていたんですが、それは瞬間風速で、その後はじわじわとAppleとかサムスンのシェア争いの蚊帳の外になってしまったようです。DIGITIMESによれば、同社の最新フラッグシップスマホ・HTC U11は今年7月の発売と同時に売上のピークを迎え、今年8月の全社売上は対前年比54.4%減少、13年間で最低の数字になったそうです…。
GoogleとHTCの関係は深く、世界初のAndroidスマホを作ったのもHTCでしたし、Googleが去年出した純正フラッグシップスマホ・PixelとPixel XLを作ったのもHTCでした。Pixelのときには、最初Huaweiが作ることになってたのに途中で自社名を出したいってことで降板して、結局HTCに交代、なんてエピソードもあったみたいです。Googleにとっては、何かと融通の利くOEMメーカーとして存続してもらいたいって事情もあるのかもしれませんね。
でもGoogleにはもっと前向きな動機もあると思われます。工商時報では、最近のAmazon Echoの躍進を例にとってソフトウェアとハードウェアの統合が重要だとしつつ、HTCのハードウェア製造機能への投資は今後のGoogleの戦略上必要だとしています。
ただHTC側から見ると、スマホ事業を売却した場合後に残るのはViveのVR事業と、強いて言えばヘルスケアデバイス事業くらいになるはずです。もし本当にスマホ事業が売却されるとしたら、「HTC」という会社のあり方は今とはだいぶ違うことになりそうです。
Source: 工商時報 via UploadVR, DIGITIMES, Bloomberg, Gizmodo US
(福田ミホ)