手品じゃないよ、nendoがつくったクルっと丸めるライト

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手品じゃないよ、nendoがつくったクルっと丸めるライト

タネも仕掛けもありません。

ここに一枚の紙があります。これをクルっと丸めるとアラ不思議! なんと筒状になった紙の中から一筋の光がピカっと照らされるのです。

どう考えても手品としか思えませんが、これはいくつかのテクノロジーを組み合わせ、実用性も兼ね合わせたデザインが施された懐中電灯で、その名を『paper-torch』といいます。

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作ったのは、シンプル&モダンにして独創的なプロダクト・デザインを日常に提案するデザイン事務所のnendoです。

タネ明かしのカギを握るのは、AgIC社が発明した銀のナノ粒子を含んだインク。これで市松模様型の電子基板を印刷して紙に通電させ、LEDが光る仕組みになっているんです。紙は選挙の投票用紙としても使われる竹尾のユポ紙を採用。これは表面がスムーズでインクの乗りが良いだけでなく、耐水性で折り目がつきにくい丈夫なもの。選挙に行かれた方なら、あの手触りをご存知かと思います。

こう見えても『paper-torch』は2個のボタン電池と7個のLEDを搭載。さらにユニークなのは、紙を巻くと電気の抵抗値を調節することになり、キツく(細く)巻くとより明るく、ユルく(太く)巻くとよりムーディーな明るさへと変えることができるのです。

加えてLEDが紙に触れると色が変わるので、LEDのある面を上にして紙を巻くとオレンジがかった電球色になり、裏返しで巻くと白い昼光色になるスグレモノなんです。

先端が輪になったスタンドに挿せばデスクライトにもなり、工夫して吊るせば吊下げ灯にもなることでしょう。

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普段使いはもちろん、軽くて携帯性にも優れたこのデザインは、災害時などに活躍しそうですね。基板を見せるデザインにしたからこそ、こんなにモダンな懐中電灯に仕上がったワケです。

Image: nendo

Source: nendo via designboom

Reference: AgICpaper-torch

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文

岡本玄介