全てが「D810」から大きく進化!
今年2017年7月25日に創立100周年を迎えたニコンから、フラッグシップモデルとなる「D850」が発表されました。そしていよいよ9月8日に発売開始です。
早速D850を触る機会を得た米Gizmodoから、簡単なハンズオンレビューをお届けします。
ニコンやキヤノンの巨大一眼レフカメラにとって、ソニーのα9のような優れたミラーレスカメラの存在は脅威です。
プロフェッショナル向けのフルサイズのD850は、チルト式ディスプレイ、深度合成の素材を簡単に撮影できる「フォーカスシフト撮影」など、ライバルのミラーレスカメラのいいとこ取りをしてきたようです。

D850は、2014年に発売されたD810の後継機種。ボディは前機種とよく似ていますが、D850はあらゆる部分で大きく進化を遂げました。イメージセンサーは3635万画素から4575万画素にアップ、4K UHD/30p動画がフルフレームで撮影可能に。(D810では2K 、フルHDで1920×1080pが動画として撮影可能でした)最上位機種のD5と同様の153ポイントのフォーカスポイントも採用。D810では51ポイントだったので、見違えるほどの進化です
これらの「クレイジー」なスペックは、ニコンのプロ向けカメラとしてもともと期待されていたもの。45万円はするソニーのα9、35万円はするキヤノンの 5D Mark IVといったカメラと戦うためには必要最低限の機能と言わざる負えません。ニコンが新規ユーザーを魅了して取り込むには、何か特別な機能が必要です。

まず、ついにチルト式ディプレイになりました。傾くタッチディスプレイ!
チルト式ディスプレイは安価なカメラにはよくある機能なのですが、プロが使うハイエンドモデルには全く欠けてた要素でした。ニコンの方が米GizmodoにD850の説明をしてくれたのですが、このスクリーンの角度調整機能は、特に動画を撮影する人、そして埃や湿気の多い特定の環境下で撮影するカメラマン達にとって必要とされてきたものだったとのこと。より柔軟性が高くなったディスプレイは、D850の耐久性が低下する可能性がありましたが、ディスプレイが全く稼働しない Canon 5D Mark IVと同等の画質を得ることができます。
次に、フォーカスシフト撮影機能。HDR写真のような感じなのですが、写真全体の理想的な露出を捉えるために複数の写真を撮影するのではなく、ピントが合っている位置を撮影開始時の位置から無限遠に向かって自動的にずらした画像を複数撮影するのがフォーカスシフト撮影です。静物が撮影対象となりますが、例えば奥行きのある風景や標本など写真全体にピントが合った写真を作成したい場合に便利な機能です。

今回は、外に出てスナップ写真のテスト撮影はできませんでしたが、対応してくれたニコンの人はフォーカスシフトのプロセスについていろいろ教えてくれました。フォーカスシフト撮影モードは想像以上に早くスムーズでしたが、HDR撮影と同じように、後でPhotoshopなどで合成するには三脚がやはり必要そうです。
もうひとつ優れていると思ったのは静音撮影が可能になったこと。一眼レフのカメラは写真を撮るたびに大きな撮影音がありました。結婚式やステージの撮影など、撮影音で周りの人の気が散るのを避けたい…という環境下でありがたい機能となりますね。
D850はミラーアップして、電子先幕シャッターで毎秒6フレーム撮影することができます。通常のモードの7フレームとほぼ変わりないですね(さらにバッテリーグリップを追加すると9フレームまで撮影可能に)。
静音撮影時の唯一の欠点は、毎秒6フレームを撮影しようとすると、オートフォーカスが効かなくなることです。でも大きな問題ではないですね。
ニコンの人も認めたように、ニコンはキヤノン以外の競合も意識していて、ソニーα9のようなカメラもそのうちのひとつ。ボディだけで3300ドル(日本でも36万円くらい)の価格で、雑誌の表紙を飾るような写真がD850で撮影されたとしても何らおかしくはありません。他のハイエンドカメラにはないような新機能も引っさげて、いよいよ9月8日に発売です。
今か今かと待ち望んでいたニコンユーザーのみなさん、買っちゃいますか?
Image: Nikon, Alex Cranz / Gizmodo US
Alex Cranz - Gizmodo US[原文]
(mayumine)