お手頃な値段でサクっと遊ぶにはちょうど良さそう。
日本のスーパーファミコンとはデザインが違い、角ばってグレーとパープルを基調とした海外版スーファミ「SNES」。
日本ではスーファミが小さくなった「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」が発売予定ですが、同じように手のひらサイズに小さく、21本のゲームが内蔵された「SNES Classic」がアメリカで9月29日にリリースされました。さっそく米Gizmodo編集部も手に入れたようで、ジックリとプレイした感想が届いています。
収録ゲームは?
海外ではSNESでマリオやサムスに出会ったスーファミ時代のゲームキッズが多く、オリジナルのSNESとまったく同じデザインに、ゲームプレイと合わせてさまざまな想い出が蘇ってくるでしょう。
注目すべきは、当時発売に至らなかった『スターフォックス2』が収録されていること。ネットではよろしくないルートで完全版が出回っているようですが、正式に任天堂のコンソールで遊べるのはファンにとって重みが違います。
そして、なぜ『星のカービィ スーパーデラックス』と『カービィボウル』のカービィが2本も入っているのか? さらにはどうして『クロノ・トリガー』ではなく『ファイナルファンタジーIII』なのか? 内容については不思議に思うことがありますが、厳選された21本のタイトルを合わせて、この「SNES Classic」は全体的に素晴らしいと綴っています。

外観
コントローラーを差す面にある赤いLEDの位置など、見た目はSNESのレプリカとして高い完成度です。コンソールの全長はコントローラーより若干短く、サイズもPlayStation 4の1/6ほどという可愛さ。
ただコントローラーのコネクションは昔のものと異なります。そのため、ダミーの穴がある部分をパカっと下に開いて、実際のコントローラーを接続しなくてはなりません。米Gizmodoはここが安っぽいと感じなくもなかったようですが……技術的な問題でこれがベストな選択だったのでしょうね。なお、ここにはNykoからリリースされるワイヤレス・コントローラーを差すと、コードに縛られない自由なゲームプレイができるかと思われます。
値段
これだけ充実していて79.99ドル(約9,000円)は、消費者が心配になるほどお得です。もし21本のゲームをバーチャルコンソールで買ったなら倍額はするでしょうし、カセットで集めようものなら『MOTHER2 ギーグの逆襲』はプレミア価格で150ドル(約1万7000円)もしてしまいます。
任天堂は非常に親切な価格帯に設定してくれているので、品薄だかといって転売屋に高額を支払うのはあまりにももったいなさ過ぎます。
コンソールから見たゲーム体験
コンソールの上にカセットをガチャンと差し込むことができないのは残念な気もしますが、リセットボタンでメニュー画面に戻るのは、かつてのユーザーにとって慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。ゲームはどこでもセーブができるものの、気持ちを一区切りさせてくれるボタンだったリセットが違う役割を果たすとなると、コレジャナイ感が伴うようです。
セーブデータをロードするには、一度メニュー画面に戻って保存データの窓を開く必要があります。米ギズは5日間この『SNES Classic』を遊び倒しましたが、ロードは面倒でほとんど使わなかったのだとか。
特に本機からやや離れた場所でプレイしたら、わざわざ起き上がってリセットボタンまで手を伸ばさないといけなくなるのです。こればっかりは『悪魔城ドラキュラ』で何度も倒されるより面倒だったと言わしめるほど。
セーブ/ロードはコントローラーにボタンを追加して欲しかった(セレクト/スタートボタンの上の空間に!)のですが、良くも悪くもこのおかげで25年前と同じようなゲーム体験ができることになります。

まとめ
・ミニNESと違い、ふたつのコントローラーはケーブルが長いので、ベッドまで離れてプレイできるほど。
・ゲームは21本のみで追加はできない。
・リセットボタンは面倒なのでセーブもしないでしょう。
・古いSNESで遊ぶ場合を除き、80ドルでこれら21本が正式にプレイできるのはお得。
・『超魔界村』にブチ切れてコンソールを真っ二つに破壊することになるので、予備も買っておきましょう。
・『スターフォックス2』は普通に遊べるゲームでした。
手軽に懐ゲーを楽しみたい、想い出のゲームがある、任天堂商品のコレクターだ、という方々には値段もお手頃で良いゲーム機です。でも欲しいゲームだけを選びたいのであればバーチャルコンソールをお勧めする、とのことでした。
諸々ふまえて、買うか買わないかはアナタ次第です。
Image: Sam Rutherford/Gizmodo