謎の超音波兵器?脳にダメージを受けるというレポートが流出

謎の超音波兵器?脳にダメージを受けるというレポートが流出

キューバの首都ハバナで、アメリカとカナダの外交官達が「音波兵器」による攻撃を受けたという報告があるのですが、話がどんどん奇妙な方向に・・・

攻撃の被害に遭った外交官達を診断した医者チームから、CBS Newsが独自に入手した医療ファイルの内容には、この謎の「秘密の音波装置」によるものとされる身体的症状が数多く記されていました。それによれば、この装置は可聴域外の音波を出し、その被害はひどい場合は「軽度外傷性脳傷害や、中枢神経系の損傷を伴う可能性」まであるとのことです。

当初の症状は難聴、悪心、頭痛およびバランス障害とされていましたが、少なくとも1人の特使は現在、補聴器を使用しなくてはいけない状況にあるとされています。でもこの医療ファイルの内容からすれば、この音波兵器は当初思われていたよりも有害なもののようです。

CBSによれば、聴覚検査に参加したアメリカ人の医師の一人(名前は明らかにされていません)は、この音波に長く晒された場合の健康リスクについて警告。マイアミ大学は、同大学の医者達が米国国務省から相談を受けたことを明らかにしています。また、外交官の一部はこの攻撃のために辞任したとの報道もあります。

CNNは米政府筋からの話として、アメリカの外交官とその家族10人、カナダは5人が様々な症状の治療を受けたと伝えています。二人のアメリカの当局者は報道陣に対し、この攻撃は「耳をつんざくような大きな音で、昆虫の音や鉄で床中をこするのに似た」音であったと述べています。

外交官達はキューバ政府が提供する家に住んでいましたが、米政府はキューバ政府は外交官を守る国際的義務があるとして非難し、5月にアメリカからキューバ特使二人を解任しています。キューバ当局はこの解任に対し、いかなる不正行為も無かったとしており、さらに「キューバ政府最高レベルの要請」により「徹底した、優先順位の高い、緊急の調査」が開始されたと主張しています。

しかしアメリカだけで無くカナダの外交官達も標的にされていることで、一体この事件の責任は誰にあるのか謎は深まっています。

カナダ人が標的になっていることで、他の国も関与しているという可能性も高まります。カナダ政府はアメリカのキューバに対する貿易禁輸に対して特に批判的ですし、それにキューバの観光市場の大部分をカナダ人が占めているからです。

今月初め、Rex Tillerson米国務長官は、攻撃の背後にいる犯人を隠しているとしてキューバ当局に「責任がある」と述べました。CBSへの声明で政府報道官は、アメリカはキューバと「定期的に連絡を」取り合い、「この問題を満足いく方法で解決」するとしています。

米Gizmodoは難聴を研究する複数の学術研究者に連絡を取りましたが、今回のような被害を与える装置に関して知るものはいませんでした。どの研究者も情報が限られている中で医学的な見地から話をしたくはないとのことでした。米国務省は残念ながら今も口を固く閉ざしています。

イギリス、マンチェスター・メトロポリタン大学のToby Heys博士は先週のNew Scientistに、この装置は人間の可聴域以下の音波を出すことでこれが可能ではないか、と推測しながらも、そのような装置には「サブウーファーの巨大なアレイ」が必要だろうとしています。他の可能性としては、よりスパイっぽくなりますし精密性も求められるものの、直接可聴域以下の周波数の超音波をそれぞれの人の耳腔に向けて放つ方法もあると述べています。

Heys博士は、そんな考えはまるで「全部フィリップ・K・ディック(SF作家)の世界のようだ」「とは言っても、今我々が住んでいる世界はかなりシュールな世界だけれども」と述べています。


Source: CBS News
Dell Cameron - Gizmodo US[原文

(abcxyz)

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