およそ8分のミッションでした。
9月10日にフロリダ州を水没させたハリケーン「イルマ」。大変な被害をもたらした天災でしたが……実はその直前の7日に、SpaceXが無人ロケット「ファルコン9」を打ち上げ、その先端から宇宙往還機「X-37B」を空の彼方に送り届けたのでした。
ボーイング社製のX-37Bは、アメリカ空軍が機密扱いで実験を繰り返している小型のスペースシャトル。4tトラックほどの小型機で、5月に2年間の軌道周回から戻ってきたばかりなんです。そして今回の“テスト”と称する打ち上げでX-37Bは5度目の宇宙飛行に旅立ちました。一体なんの調査をするのか…。
ではSpaceXより、ロケット発射当時のライヴ映像をお楽しみください。ロケットが宇宙に飛び出してから、また地上に再着陸する様子がご覧いただけます。ロケットの発射は13:00頃です。
約1分半でマッハ6近くに達し、第1エンジンが切り離された地点で地球が丸く見えます。
ご覧の通り、ファルコン9のカメラが下を向いているため、X-37Bが飛び立つ様は見られません。ですが着地地点に確実に戻り、ブレることなく立つ姿は思わず「10点満点!」と言いたくなりますね。
このロケット発射が行なわれたのは、フロリダ州ケープ・カナベラルにあるケネディ宇宙センター。打ち上げ当時のイルマは、フロリダから約1,450kmの地点におり、カリブ海のバーブーダ島をメチャクチャに荒らしていた時でした。おそらくイルマの順路がフロリダに向かっていたのが判っていたので、天候の影響も危惧して打ち上げを行なったのでしょうね。ちなみにこの日の打ち上げが失敗していたら、計画は翌日に繰り越す予定でした。
X-37Bが今年の5月までの2年間で何をしていたのかは誰もわかりません。そしてこの打ち上げから帰還予定の2019年9月まで、何を調査/実験するのかもまた機密なのです。この結果が、人類に何をもたらすでしょうか?
Rae Paoletta - Gizmodo US[原文]
(岡本玄介)