映像中の不要な物体をリアルタイムで消す、Adobeの動画編集ソフト「Cloak」
Image: Adobe Creative Cloud/YouTube

映像中の不要な物体をリアルタイムで消す、Adobeの動画編集ソフト「Cloak」

世界中の映像クリエイターたちが待ち望んでいた、夢の技術

写真に入り込んだ不要なオブジェクトを消す場合、大変な作業になることは先日ご覧いただいた通り。それが映像となると、1コマずつ何十フレームを消す作業になるわけで……思わず気が遠くなったまま戻ってこられなくなりそうです。

たとえワイヤー1本でも、撮影現場で誰も気付かないまま映り込んでしまったら、いざ消すとなると時間も労力も、予算だって大幅なムダ遣いになってしまいます。さらに公開日まで押してしまったら大惨事です。

そこで今、そんなNGテイクの救世主となるであろう、Adobeによる強力な動画編集ソフト「Cloak」の開発が進んでいます。このソフトでは、狙ったオブジェクトを囲うだけで映像から消し去ることができるんです。

Video: Adobe Creative Cloud/YouTube

このソフトは、先日紹介した360°動画の音声編集ができるソフト「SonicScape」と同様に、ラスベガスで開催された「Adobe MAX」というカンファレンスで発表されました。

不要なものを大雑把に囲うだけで、あとはソフトがアルゴリズムに従って自動的に背景のピクセルで補い除去してくれます。これは「Photoshop CC」の編集/塗りつぶしから使える機能「コンテンツに応じた塗りつぶし」の動画版と考えても良さそう。

engadgetいわく、本ソフトはまだ実験段階だそうですが、単にハリウッド向けというわけではなく、360度動画を撮影した際に映り込みを防げなかった機材や、スタッフなどを除去するケースも想定されているそうです。

動画は連続する静止画だからこそ、前後のシーンから素材(背景のピクセル)をコピペすることが可能なのでしょう。そしてサンプル映像の聖堂のように角度が変われば、消したい物体の背景に何があるのかも表示されることになり、それを元にコンピューターがモーション・トラッキング機能を駆使して補正してくれるのです。写真加工とはアプローチが違いますが、これがあれば大助かりする人たちが数多くいそうですよね。

上のサンプル映像では、まだちょっと粗が見えるようですが……このレベルならもう充分じゃない?とも思えるほど。もし製品化された頃には、もっとカンタンにハイクオリティーな加工編集が可能になっていることでしょうね。



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Source: YouTube, Fresh Gadget, engadget

岡本玄介