近くを通る人の感情まで読みとって広告表示する巨大ビルボード「Piccadilly Lights」
Video: Landsec/YouTube

近くを通る人の感情まで読みとって広告表示する巨大ビルボード「Piccadilly Lights」

あちこちに目のある世界。

ロンドンの広場ピカデリーサーカス。ここにある巨大ビルボード、通称「Piccadilly Lights(ピカデリーライト)」が今、ハイテク進化を遂げようとしています。開発業者曰く、この巨大ビルボードは周辺環境を感知することができるというのです。ここでいう周辺環境とは、車の動きはもちろん、道行く人々の年齢や感情まで読みとるというのですから、ビックリよ。

このビルボードを開発するLandsecによれば「ビルボードに表示される広告は、周りを行き交う人々の性別や年齢、感情などに応じて変化する」とのこと。ピカデリーライトについて書かれたネタ元のWiredでは、主に道路を走る車への広告に着目。曰く、ビルボードに内蔵されたカメラによって、通りを走る車の色やモデル、メーカーを察知し、それに応じた広告を表示。例えば、広告主は「〇〇で××」という条件設定をして、それに当てはまる車=ターゲットが通ると特定の広告をだすということもできるわけです。

Wiredによれば、カメラを使ったターゲット広告が開始されるのは、今月末からとのこと。しかし、プレスリリースがでるやいなや、心配する声も。内蔵されたカメラのことには触れず「生きた広告」「返事する広告」と謳っていますが、わーすごいねーですまないのが現代社会。シャレたPR的謳い文句を外してしまえば、モノを売るためにおおっぴらに公共広場をチェックする消費者監視カメラなわけですから。もちろん、周辺環境を読みよるカメラ技術はすでに利用されていますが、ここまで大掛かりな消費者タイプまできたか…とね。

Video: Landsec/YouTube

例えば、警察では一部で「モノを認識するカメラ」が利用されており、車のメーカーやモデルをチェック。今年の2月には、警察官のボディカメラが年齢や性別、服装などを認識できるようになるというもでました。人の顔=感情をよむことで、犯罪防止につながるというわけです。犯罪防止といえば、TwitterやFacebookでの発言もチェックの対象。SNSには犯罪の芽があるとも言われています。

The Vergeの取材によれば、カメラは個人的情報を収集、保存することはないといいます。ただ、広告主にとっては、どの広告が効果的であったか、どういった人(年齢や性別、どういう車を運転している人かなど)がどの広告に反応したのかというのは、とても有益な情報であり、企業に提供されるのか、どこまで何を提供されるのかはよくわからないまま。

今回の発表では、Landsecは車や年齢、性別を例にあげていますが、その他にどんなファクターが影響するのかは謎。似た車を運転する人々は、お洋服の好みも似ているのでしょうか。巨大広告に表示されるダイエット広告が、まさか自分1人をターゲットにしたものなんてこともあるのでしょうか。聞きたいことは山ほどあります。感情認識とは、どこまでやるのでしょう。例えば、ディズニーはこれを使い、映画鑑賞客の笑い顔やしかめっ面をチェックするといいます。Landsecはどう使うつもりなのでしょう? 感情を読むってのは表情から? それともボディランゲージから? こちらもやっぱり謎だらけ。

テクノロジーが進むほど、細かいことは一般人には謎だらけ。ちょっとした不安と引き換えに、便利さが手にはいる。いいか悪いか、判断するにはまだ早すぎるこの頃です。



Image: YouTube
Source: Landsec, The Verge via Wired UK

Sidney Fussell - Gizmodo US[原文
(そうこ)