人工知能はベスト・アンサーを教えてくれる先生です。
ラスベガスで開催されたAdobe(アドビ)の年次カンファレンス「Adobe Max」では、360°動画の音声編集に目をつけた「SonicScape」や、映像中の不要な物体をリアルタイムで消す動画編集ソフト「Cloak」といった、クリエイターたちが泣いて喜ぶようなソフトウェアのデモンストレーションが見られました。
そして今回ご覧いただきたいのは、AIとマシーンラーニング、そしてAdobeが持つ膨大なコンテンツとデータアセットを駆使して驚きの効率性を実現させる技術「Adobe Sensei」……をベースに開発中のソフト「Project Scribbler」。
Adobe Maxでのデモでは、古めかしい白黒の肖像画を自然な色合いで着彩したり、白黒のハンドバッグに色やテキスチャーを指定するだけで、本物と見紛うような画像が一瞬で生成される様子が見られます。
ではAdobe Creative Cloudより、その映像をご覧ください。
ルーさんのご先祖様はアインシュタイン!?
かつてはニューラルネットワーク画像生成システム「Pix2Pix」が、線描画から悪夢のクリーチャーを生成するという話題がありましたよね。
それと同じことを、もっとナチュラルな完成度でやってのけるのがAdobe ResearchによるProject Scribblerなのです。Pix2Pixはとても味があり、爆笑を誘うものでしたが……こちらは実用レベルですよね。
白黒の写真も、手描きのイラストも、けっこう雑に描かれたバッグも、プロフェッショナルな仕上がりに早変わりします。人種による肌の色だって、AIが学んだ最適解を適用してくれるのです。とはいえAIも完璧ではないので、将来的にはSenseiの答えにちょこっと手心を加えて、肌の色を人間がイジること(それはそれで新たな問題?)も考えているそうな。
このScribblerはまだ研究段階ですが、いずれPhotoshopに実装されるのか、それとも独立したソフトになるのか、ともかく将来が楽しみですね。
Image: YouTube
Source: YouTube, Pix2Pix
Reference: ADOBE SENSEI
(岡本玄介)